圧倒的存在感で物語のキーパーソンに!平手友梨奈の影のある演技に目を奪われる

2021年に放送された「ドラゴン桜」では阿部寛と共演し、怪我を負いながらもバトミントン選手の夢を諦めずに東大を目指す高校生を好演。「風の向こうへ駆け抜けろ」では女性騎手役として主演を務めた平手友梨奈。女優としても注目を集めている彼女が、物語のキーパーソンとも言える車いすの少女・ヒナコを演じたのが岡田准一主演の映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』だ。原作は南勝久による人気コミックで、ファンから"いちばん泣けるエピソード"と評されている「宇津帆編」を映画化したもの。どんな相手でも6秒以内に仕留める伝説の殺し屋・ファブル(岡田)と絡む平手友梨奈が見せた迫真の演技とは?

■悲しい過去に心を閉ざした少女にとってファブルは特別な存在に

平手演じるヒナコは両親を殺された過去を持つ少女。表向きはNPO団体の代表を務めるファブルの宿敵・宇津帆(堤真一)に引き取られ、悲惨な記憶のフラッシュバックに悩まされながらも犯人への復讐を胸に秘めて生きている。

ファブルは殺し屋を休業し、佐藤アキラという偽名を使ってデザイン会社で素性を隠して働いている。そんなある日、4年前に激しいバトルの末に生命だけは救ったものの立体駐車場から転落したヒナコもことを、偶然、公園で見かけることになる。鉄棒に捕まり、何度も転げ落ちるその姿を見て、ファブルは彼女が当時の衝撃で車いす生活を送っていることを知り、「時間はかかるが歩けるようになる」と言葉をかける。

事故当時のファブルは覆面をしていたため、リハビリのたびに遠くから見守っている彼のことを不審がっていたヒナコだが、次第にファブルのことを「佐藤」と呼び、少しずつ心を開いていく。「ドラゴン桜」でスポーツ一家の抑圧された環境に育った高校生を演じた平手だが、本作でも相手の心の奥まで見透かすような目力が、もの言わずとも闇の部分と意志の強さを物語っている。

「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」に出演する平手友梨奈と堤真一
「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」に出演する平手友梨奈と堤真一

(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会

■憎しみや悲しみを爆発させる平手の演技に目を奪われる

宇津帆がファブルを仕留めるべく団地で繰り広げられるド迫力のアクションシーンは映画の最大の見どころ。特に、犯人に復讐するためにいつか自分の足で立ってやると執念を燃やし続けてきたヒナコが、事件の裏に隠された真実を知って感情を爆発させるシーンには釘付けにさせられる。目的を果たす日のために自分を殺して生きてきたヒナコの中でその瞬間、抑えに抑えてきた憎しみや悲しみ、悔しさが怒涛のように溢れ出していく。そこで起きる奇跡のような出来事やファブルの神技的救出劇は映画を見てのお楽しみ。影のある役が似合う平手友梨奈が体当たりで挑んだヒナコ役は、ファブルと出会って成長していく役柄と同じく、平手が女優として新しい扉を開いた作品だと言えるかもしれない。

文=山本弘子

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放送情報

ザ・ファブル 殺さない殺し屋
放送日時:2022年2月28日(月)14:45~ほか
チャンネル:WOWOW
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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