小ネタやパロディなども魅力的?仲間由紀恵が自称天才マジシャンを演じるミステリー

2022年4月に放送開始されるNHK朝の連続テレビ小説「ちむどんどん」は、沖縄が舞台。ヒロインを務める黒島結菜は沖縄出身で、その母親役に起用されている仲間由紀恵もまた沖縄県浦添市の出身だ。1979年生まれの仲間は、1993年にタレント養成学校「沖縄タレントアカデミー」に入学し、翌年には地元テレビドラマの一般公募オーディションでグランプリに輝き、早くも主役の座を射止めている。ほどなく上京してプロダクション尾木に所属。映画やドラマに出演しつつ、プレイステーション用ゲームの主題歌を担当するなど、歌手としても活躍していた。

2000年には映画『リング0 バースデイ』で初主演。同作にはオーディションで合格し、主役の山村貞子役に抜擢されたものの大変な難役だった。まだ俳優としての経験も浅かった仲間は演技に相当苦労し、鶴田法男監督に激しく叱責されて涙したこともあったと共演者が証言している。ただ、同作での仲間の演技を見て「この女優を使いたい」とある監督に思わせたことが、女優としての転機となった。

その監督こそが、堤幸彦だ。堤監督は1995年の日本テレビ系ドラマ「金田一少年の事件簿」で注目され、1999年のTBS系「ケイゾク」、2000年のTBS系ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」でチーフ演出を務めるなど立て続けにヒットを飛ばしていた。そんな堤監督が2000年秋に手がけたのが、テレビ朝日系ドラマ「トリック」である。仲間は堤の意向により、同作の主人公・山田奈緒子を演じて、阿部寛演じる物理学者の上田次郎とコンビを組んだ。

「トリック」で主演の仲間由紀恵と阿部寛
「トリック」で主演の仲間由紀恵と阿部寛

©テレビ朝日・東宝

同作は、"自称天才マジシャン"である山田奈緒子と、"自称天才物理学者"の上田次郎の2人が、超常現象や奇怪な事件に隠されたトリックを解決していくという趣向のミステリードラマだ。「人間が引き起こす"超常現象"の種を暴く」というスタンスが基本で、ミステリーではあるものの、パロディをふんだんに取り入れるなどユーモアを多用した「笑える」場面が多いことも特徴だ。バラエティ番組の要素なども盛り込んでいて、横溝正史作品へのオマージュがあるかと思えば、他局の人気番組や時事ネタ、出演者やスタッフにまつわる「楽屋落ち」的な小ネタなどがオンパレードなのである。

©テレビ朝日・東宝

とはいえ、遊びの要素が多い反面でギャグと思われた演出にストーリー上の伏線になるものも含まれていたりするので、視聴者は気が抜けない。基本は「奈緒子・上田コンビvsインチキ霊能者」という図式で描いているのだが、犯人捜しを主眼にした回があったり、シリアスで苦いエンディングになったりする回もあるなど、重層的なストーリーが視聴者を虜にした。

その後は2002年に第2シリーズが放送され、同年末には映画化されてこちらもヒット。人気の勢いで2003年には第3シリーズも制作され、それまでの深夜枠からゴールデン進出も果たしている。さらに2005年のトリック新作スペシャルを皮切りに、2006年、2014年にも新作スペシャルが放送されるなど、ロングセラードラマとなった。

©テレビ朝日・東宝

堤監督に見いだされた仲間は、本作でのコミカルかつ痛快で突き抜けた演技が評判を呼び、女優としての才能を開花させた。その勢いで主演した2002年の日本テレビ系ドラマ「ごくせん』での「ヤンクミ」こと山口久美子役で話題を独占。最高視聴率は32.5%を記録した。

そんな「ごくせん」と並び、仲間の初期代表作として、「トリック」は記念すべき作品といえるだろう。そんな「トリック」が、テレビ朝日チャンネル2で4月に放送される。近年ではテレビ朝日「相棒」シリーズでの警察官僚・社美彌子役など重厚な役柄の印象が強いが、初期作品でのパワフルな演技における仲間の原点の魅力をぜひ再発見してほしい。

文=渡辺敏樹

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放送情報

トリック

放送日時:2022年4月5日(火)22:00~

チャンネル:テレ朝チャンネル2

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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