吉高由里子演じるオタク女子大学生がロボットに恋する!?異色のコメディ映画「ロボジー」

2024年放送のNHK大河ドラマ「光る君へ」で主人公の紫式部を演じることが決定している吉高由里子。これまでに多くの作品に出演し、個性派女優としても知られるが、そんな彼女をしてもWOWOWプライムで10月30日(日)に放送される『ロボジー』(2012年)で演じた佐々木葉子役はかなりチャレンジングな役柄といえる。

メガホンを取ったのは、これまで『ウォーターボーイズ』(2001年)、『ハッピーフライト』(2008年)など、ユニークな題材を独自の視線で表現し、極上のコメディに仕立て上げてきた矢口史靖監督。本作も随所に笑いが溢れる実に矢口監督らしい作品になっている。

主演を務めた五十嵐信次郎はミュージシャンのミッキー・カーチス。なんとこれが73歳にして初の主演作となる。物語は、木村電気という家電メーカーに務める小林弘樹(濱田岳)・太田浩二(川合正悟)・長井信也(川島潤哉)の窓際社員3人が、ワンマン社長より近く開催されるロボット博で自社をPRするべく二足歩行ロボットの開発を命じられたところから始まる。

なんとか開発を進めるも、ロボット博まで1週間というタイミングで、開発途中のロボット「ニュー潮風」が大破してしまう。窮地に追い込まれる中で小林がロボットの中に人間を入れてごまかす計画を思いつく。開発者としてその姿勢はどうかと思うところだが、最先端技術の塊であるロボットの中にあえて人間を入れてしまおうというアナログ的な発想こそ矢口監督の真骨頂ともいえる。何はともあれ、後がない3人はオーディションを開催。その中から選ばれたのが、若者の中に1人参加していた老人の鈴木重光(五十嵐信次郎)だった。

ロボット博当日、まさか本当のロボットとして出演しているとは思っておらず、ロボット離れした動きを次々に披露する鈴木。その姿を見て、まさか中に人間が入っているとは露ほども知らないロボットオタクの女子大生・葉子が、「ニュー潮風」に恋してしまう、というのが大まかなあらすじだ。

その後、ロボジーをめぐり、大騒動が巻き起こるのだが、そこで見せる吉高のコメディセンスが抜群。ある時は裏切りに怒り、またある時にはロボジーを守るべく奮闘する葉子の喜怒哀楽をコミカルに表現している様は、思わず葉子に感情移入してしまう見事なものだ。
最後にはロボット愛に溢れる葉子からは想像もつかない展開を迎える『ロボジー』。その決断までに至るまでの葉子の葛藤にも注目しながら、人間とロボットの恋の行方を楽しんでほしい。

文=安藤康之

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放送情報

ロボジー

放送日時:2022年10月30日(日)10:00~

チャンネル:WOWOWプライム

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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