山本昌と真中満が2023年プロ野球終盤戦の見どころを語る！

――ドラゴンズが来季ステップアップするためのポイントは何だと思われますか？

山本「ピッチャーは悪くないんですよ。ただ、顕著に出たのは"我慢しきれない"というところですね。抑えはライデル(・マルティネス)投手がいて、中継ぎも勝野(昌慶)投手が頑張って、清水(達也)投手がいて、松山(晋也)投手が台頭してきて、藤嶋(健人)投手がいてという他球団もうらやむリリーフ陣だと思いますし、先発も小笠原(慎之介)投手、柳(裕也)投手、高橋宏斗(※「高」は正しくは「はしごだか」)投手というピッチャーたちがいて、大野雄大投手がいたらちょっと変わったかなという気がしないではないですけども、そう考えると投手陣はそんなに悲観しません。

一方で、野手陣は今年大きく変えようとして二遊間があんまりだったんですけど、そんな中で現役ドラフトで来てくれた細川(成也)選手が大活躍してくれてなんとか形にはなりましたけど、来年同じようにやれるかっていったら分からないから、石川(昂弥)選手とか岡林(勇希)選手といった若い選手がもっと安定感を出していかないといけないですね。あと、代打もメンバーはいるんですけど切り札になる人がいないというところで、もしかしたらそこに大島(洋平)選手が入るかもしれないですけど、どちらにしても(キーマンとなる選手が)1人、2人出てきてくれないと打つ方はそんなに変わらないかなと思いますね」

――スワローズが来季復権するために必要なことは何だと思われますか？

真中「2年連続で優勝していて今年のこの数字なので、『1年くらいへこんだくらいで』という思いはあるんですけれども、先発の計算されていたところがなかなか足並みが揃わなかった部分とか、中継ぎも思いのほか調子が上がらずで、投手力に非常に苦しんだなという印象ですね。その分、田口(麗斗)選手がクローザーでしっかり投げるようになったので、来年以降、高津(臣吾)監督がもう一回しっかりと上で戦えるようにしてくると思っています。

バッターは村上(宗隆)選手が開幕から調子が上がらず、2割5、6分の、ホームランもこのままいけば30本くらいで、どうしても村上選手が注目されてしまいますけど、やっぱり野手全員の力が少し全体的に良くなかったのかなと。なかなか波に乗れないシーズンだったかと思いますが、戦力的には能力の高い選手が多いので、(来季は)やってくれると思っています」

文＝原田健

この記事の全ての画像を見る