野球解説者のマック鈴木がMLB&NPBのプレーオフを大予想!

レギュラーシーズンが終了すると、いよいよポストシーズンに突入するMLBと日本プロ野球(NPB)。元MLBプレーヤーで、現在はJ SPORTS「MLB野球中継」の解説などを務めるマック鈴木が、MLBポストシーズン、NPBクライマックスシリーズについて、独自の予想を語ってくれた。

まずMLBから、昨年アストロズがワールドシリーズ制覇を果たしたアメリカン・リーグについて、どのように見られていますか?

「独走で東地区優勝を決めそうなレッドソックスがやはり強いですね。ポルセロ、プライス、セールの先発3本柱しっかりしていて、クローザーのキンブレルへとつなぐ必勝パターンが確立している。マルティネスらの打線もいいですし、リーグ優勝の本命です。インディアンスは強いというより中地区の他チームが弱いという印象。アストロズはバーランダー、コールらの投手がきっちり抑えれば、リーグ優勝の可能性もありますね」

田中将大投手の所属するヤンキースはどうでしょうか?

「大谷翔平選手のエンジェルスは残念ながらプレーオフ進出は難しいですが、田中将大投手のヤンキースはワイルドカードでのプレーオフ進出を争っています。投手は田中将大とセベリーノが鍵になるでしょう。ヤンキースはシーズン終盤になって外野手のマカッチェンをトレードで獲得し、ポストシーズンへ向けた戦力を整えています。何よりヤンキースがプレーオフに出ないと野球ファンは盛り上がりませんから、頑張ってほしいですね」

一方のナショナル・リーグは、アメリカン・リーグよりも混戦の地区優勝争いが繰り広げられていますね。

「西地区の優勝、そしてワイルドカードも争っている平野佳寿投手のいるダイヤモンドバックスと、前田健太投手の所属するドジャースに注目しています。平野投手はメジャー1年目ながら見事にアジャストし、自分のペースで自分が仕事をしやすいような雰囲気を作れています。セットアッパーからクローザーに昇格する可能性もありますね。プレーオフで「HIRANO」の名を全米にとどろかせてほしいと思います。前田投手のドジャースは、昨年圧倒的な強さでリーグ制覇し、ワールドシリーズも優勝すると思われましたが、敗れてしまいました。昨年は期待されすぎたので、今年は接戦を抜け出して勢いに乗って、頂点を目指してほしいと思います」

ナショナル・リーグは、他にも、プレーオフ進出の可能性があるチームが数多いですね。

「実力はカブスが一番あると思うのですが、ダルビッシュ有投手が故障で戦線離脱してしまったのは本当に残念。ブレーブスは大活躍している選手がいるわけではないのですが、5年ぶりの地区優勝に突き進んでいて不思議な強さを持つチームです。ドジャース、ダイヤモンドバックスと地区優勝争いをしているロッキーズも優勝すれば勢いがつくと思います」

やはりポストシーズンはレギュラーシーズンとは違った魅力がありますか?

「地区優勝できなくても、ワイルドカードから勝ち上がる敗者復活戦のような面白さがありますね。そして短期決戦は緊迫感もすごい。私が現役時に優勝のかかった試合で、大ベテランの選手でさえ緊張していましたから。短期決戦は勢いが大事なのですが、戦い方を変えず、レギュラーシーズンどおりに戦えるチームが世界一に近いと思います」

そして日本プロ野球もクライマックスシリーズに突入します。セ・リーグは広島がリーグ3連覇へカウントダウンに入っていますね。

「広島はMLBのレッドソックスのような強さですね(笑)。選手を発掘して育てて、ここまでのチームを作り上げているのは伝統的で素晴らしい。投手陣も打線も安定していますし、菊池涼介選手らの守備力も相当に高い。そして今季限りでの引退を表明したベテラン新井貴浩選手の存在も心強いと思います。昨年は横浜DeNAに敗れて日本シリーズに進めなかったので、今年は期するものもあるでしょう」

セ・リーグは2~6位まで差は大きくなく、どのチームにもクライマックスシリーズ進出の可能性がありますね。

「最終的には巨人、ヤクルト、阪神の争いになると思いますね。日本の場合、短期決戦は外国人選手の長打力が決め手になってくると思うので、本塁打&打点の2冠王を狙っているヤクルトのバレンティン、勝負強い巨人のマギーに注目しています」

パ・リーグは西武、ソフトバンク、日本ハムのクライマックスシリーズ進出が濃厚でしょうか?

「西武が抜けたかなと思いましたが、ソフトバンクが追い上げてきて、優勝の行方はまだ分かりません。西武は秋山翔吾選手や山川穂高選手らの打線が爆発して前半から飛ばしてきましたが、後半やや落ちてきています。打てない試合でチームの雰囲気が悪くならないようにすることが大事でしょうね。追い上げてきたソフトバンクは元々、地力は最もあるチームですから逆転優勝の可能性も十分にあります」

日本ハムで楽しみなのは、やはり大物ルーキーの清宮幸太郎選手ですね。

「清宮選手は、打球を飛ばす能力は非常に高く、変化球に弱い荒削りな面がありますが、ミスを怖れて小さなスイングにならず、豪快に振っていってほしいですね。クライマックスシリーズでラッキーボーイになる可能性は秘めてますよ。きっと栗山英樹監督の頭の中には、そのストーリーが出来上がっているんじゃないですかね(笑)」

Profile
マック鈴木(まっくすずき) 1975年兵庫県生まれ。1992年、1A独立球団サリナス・スパーズの球団職員兼任練習生として入団。1996年にマリナーズでMLBデビュー。日本球界を経由しない初の日本人MLBプレーヤーとなった。その後はロイヤルズ、ブリュワーズ、日本のオリックスなどで活躍。2011年に現役を引退し、現在は解説者などを務める。

文=エンターバンク 写真提供=J SPORTS

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メジャーリーグ中継2018 ポストシーズン
放送日時:2018年10月3日(水)
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