「次のレースです」武豊騎手が積み上げた前人未到4,000勝の軌跡と執念に迫る!

騎手、武豊。競馬を見た経験がなくても、一度はこの名前を聞いたことがあるという人が多いのではないだろうか。デビュー以来、数々の記録を打ち立てている競馬界のレジェンドである。

1987年に騎手デビュー。初年度から69勝をマークし、当時の新人最多勝記録を更新する華々しいスタートを切ると、2年目にはスーパークリークで菊花賞を制しGⅠ初勝利。3年目の1989年にはJRAで133勝を挙げ、初のリーディングジョッキーに輝いた。

以降、次々と記録を塗り替えていき、1995年には史上最速・最年少(26歳4カ月)でJRA通算1,000勝を達成。その後も勝ち鞍を伸ばし、デビュー32年目となる今年9月、ついに前人未到のJRA4,000勝を達成した。JRA全国リーディング獲得回数18回は歴代最多。GⅠ勝利数は75で歴代トップ(2018年11月26日現在)。また、すべてのホースマンの夢と言われる日本ダービーを歴代最多の5勝するなど、ありとあらゆる記録を保持している。

オグリキャップとのコンビで感動のラストランを飾った1990年の有馬記念。ディープインパクトでの3冠達成など、これまで多くの名勝負でファンを沸かせてきた。しかし、日本の競馬シーンを牽引してきた武騎手は来年で50歳。近年はリーディングの座を他の騎手に明け渡している。それでも今なお、競馬シーンの主役として君臨していることが武騎手の凄さだ。キタサンブラックの鞍上が空いた時、オーナーの北島三郎氏は武騎手を指名。このコンビでGⅠを6勝し、ドキュメンタリー番組で紹介されるなど話題となった。最近では、2年連続で最優秀障害馬となったオジュウチョウサンの平地競走挑戦が決まった際にも手綱を任された。その大役にプレッシャーも多かったと思うが、福島競馬場、東京競馬場で行われた芝のレースで連勝し、改めて存在感を示している。

写真提供JRA: H29有馬記念(GⅠ)キタサンブラック

何度か武騎手にインタビューさせて頂いた機会がある私には印象に残っていることがある。それは「今後、一番勝ちたいレースは何ですか?」という質問に対し、「次のレースです」とさらりと語った言葉だった。海外の大レースや日本のGⅠレースでもない。とにかく目の前にある次のレースを勝ちたいと話す姿に、長年にわたりトップジョッキーの座を守ってきた執念を感じたのだった。

「水曜馬スペ!武豊騎手JRA通算4000勝達成記念特番~レジェンドの流儀」(グリーンチャンネル)では、そんな武騎手の魅力をこれまでの騎乗を振り返りながら紹介する。球界のレジェンドとして32年にわたり中日ドラゴンズで活躍した山本昌氏との対談も必見。トップアスリートとしての経験がある両者だからこそ話せるスペシャル対談に注目だ。

Profile
武豊(たけゆたか) 1969年京都府生まれ。競馬学校騎手課程を経て1987年騎手デビュー。JRA全国リーディング18回獲得など、数々のJRA記録を保持している競馬界のレジェンド。今年9月29日、JRA通算4,000勝を達成した。父の故・武邦彦氏と弟の幸四郎氏は元騎手で調教師。

文=小島友実(競馬キャスター&ライター)

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放送情報

水曜馬スペ!武豊騎手JRA通算4000勝達成記念特番~レジェンドの流儀
放送日時:2018年12月19日(水)21:00~
チャンネル:グリーンチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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