女子二冠王を目指す浅倉カンナ、天心との大晦日アベック勝利へ！

浅倉選手以外の試合では、どんな試合に注目してほしいですか？

「試合数が多いですし、魅力的なカードがいっぱいありますね...。中でもUFCでも活躍した堀口恭司選手と、米MMA団体Bellatorの王者ダリオン・コールドウェル選手の戦いは、本当に世界最高峰の戦いです。これをRIZINバンタム級タイトルマッチとして日本の、しかも大晦日に見られるというすごさ、貴重さを知ってほしいですね。女子の試合も多いので、女子格闘技にもいつも以上に注目してもらえれば」

浅倉選手が交際を公表しているキックボクシング界の"神童"那須川天心選手と、世界で最も稼ぐ史上最高のボクサー フロイド・メイウェザー選手の試合については？

「メイウェザー戦は...ちょっと心配ですけどね。当日、本当に来てくれるのかなって（笑）。私は、天心くんが圧倒するんじゃないかなって思うんです！　ボクシングを知らない人間の目線なんですけど。今回は3分3ラウンドで普段のボクシングの試合とは違うし、最初から一気にいけば、いけるんじゃないかなって。彼とは、『今回は2人とも大一番だね』って話しています。対戦カード順は決まってないんですけど、私が先だといいですね。自分より前の試合だと、相手の緊張も伝わったり、ソワソワしたりしちゃうので...。勝って堂々と、この試合を楽しみたいです」

大晦日の格闘技イベントに出場することについてはどんな思い入れがありますか？

「いまでも、不思議な気持ちになることがありますね。私の家は、父が格闘技好きだったので物心がついたころから『大晦日は格闘技』。小さなころからTVで見ていましたし、会場にも行ったことがあるんです。川尻達也選手のような、そのころ見ていた選手と同じ舞台に自分が上がっていることが、すごく不思議で」

総合格闘技を見ることの楽しさは、どんなところにあると思いますか？

「総合格闘技は打撃だけじゃない、寝技だけじゃない。キャリアに差があっても何が起こるかわからない。バックボーンもみんな違うし、得意な分野も全然違う。そんな選手たちが、自分の強みを生かして一生懸命練習して、リングに上がる。自分を出せるのはリング上だけだから、そこに懸ける思いも強いです。一対一でそれを出し合うのは、すごく魅力的な舞台だと思います。あとは、レスリングをやっていましたとか、夫と子供がいますとか、選手についても知ってほしいですね。その人を知れば、試合はもっと面白くなります。事前に選手のことを調べたり、会場で煽りVを見たりしてから、感情移入して試合を見てほしいですね！」

大晦日への意気込み、ファンへのメッセージをお願いします。

「今回は、朝から夜まで格闘技漬けの大晦日になるんですけど、すべてを楽しんでもらいたいですね。大晦日に出られる選手っていうのは、限られた数人だけなので、団体や競技を代表する気持ちで覚悟も持って来ています。見ている人たちに『格闘技面白いな』って思ってもらえれば、選手はうれしいです」

浅倉選手個人としては？

「いまは女子格闘技がブームになってきましたけど、フジメグ（藤井惠）さんやこれまで女子格闘技を支えてきた人が積み重ねてきたものがあったからこそ、自分が運良く、こうして前に出てこられたと思っています。ありがたいことで、その分、責任を持って頑張らなきゃと思っています。去年の大晦日では、トーナメントのベルトを取ったんですけど、タイトルマッチは初体験なので、また今年もベルトを取って、2本贅沢に巻きたいですね（笑）。RIZINで初めての女子タイトルマッチを浜崎選手と戦えるのは幸せだし、自分の持てるものを出し切って、必ず面白い試合にしたいですね！」

Profile
1997年10月12日、千葉県生まれ。158cm、49.0kg、パラエストラ松戸所属、バックボーンはレスリング。2014年10月に17歳でデビューし、見事勝利。「現役女子高生ファイター」として2016年からRIZINに参戦。2017年12月31日に女子スーパーアトム級トーナメントを制覇。2018年はメリッサ・カラジャニス、RENAに連勝中。

文＝カズ・コバヤシ　撮影＝神保達也

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