「今思うと最強のチームだったな」北海道日本ハムファイターズ・斎藤佑樹が明かす早大時代

北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹
北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹

6月10日(月)~16日(日)に明治神宮野球場と東京ドームで開催される第68回全日本大学野球選手権大会。東京六大学野球連盟、東都大学野球連盟、関西六大学野球連盟など、全国各地の春季リーグ戦優勝チーム27校が集い、トーナメント戦で大学野球日本一の座を争う。J SPORTSでは1回戦から決勝戦まで全試合生中継する。

早稲田実業学校高等部時代、2006年夏の甲子園の決勝で駒大苫小牧のエース、田中将大(現ニューヨーク・ヤンキース)との投手戦を制して夏の甲子園の初優勝に大きく貢献。その後、早稲田大学に進学し、1年生時に出場した「第56回全日本大学野球選手権大会」でチーム33年ぶりの優勝に導くなど大活躍した、北海道日本ハムファイターズ・斎藤佑樹投手が大学野球について語ってくれた。

――大学1年生で優勝した「第56回全日本大学野球選手権大会」を振り返って、当時はどのような感想をお持ちでしたか?

「あっという間に決勝までいって優勝してしまったなという印象でした。その時に"負け"を経験しなかったので、『大学野球ってこんな感じなんだな』『早稲田って強いんだな』とルーキーながら感じていました。僕にとってはうまく行き過ぎた大会だったなと思いますし、僕の力ではなく周りの先輩方の力がすさまじかったんだなって感じています。切れ目のない打線に投手陣も揃っていて、今思うと最強のチームだったなと思います」

――当時のマウンド上での心境は?

「1年生ということもあって、『先輩方が後ろで守ってくれている』という安心感が絶大だったので、自分に(抑える)自信があるからというわけではなく、普通に『投げやすいな』という感覚で投げていました。僕にとっては全てが初めての経験だったので、1人1人、1回1回を抑える気持ちで投げました。後ろには松下(建太)さん(元埼玉西武ライオンズ)や須田(幸太)さん(現JFE東日本)が待機してくれていたので、そういう意味では後先考えずにいけたかなという感じでした」

――プロに入ってから大学時代の経験が活きていると思うことはありますか?

「プロ野球は結果でしか(語れ)ないと思うので、なかなか言葉にするのは難しいですが、あの時の気持ちというのは僕にとってすごくいい経験になりましたし、あの4年間で先輩、後輩、同級生を含めてすごく素敵な出会いがあったなというふうに感じています。今でも年に1回は絶対会っていますね。高校の3年間も熱かったですが、大学の4年間もまた違った熱さがあって、何かに例えて表現することができないくらい特別なもので、僕にとってすごく大切な時間でした」

――当時のチームメイトと会うと思い出話に花が咲くのでは?

「そうですね。でも、そういう時に盛り上がるのは、勝った時の話よりも負けた時の話やつらかった時の話なんですよ(笑)」

――大学野球の魅力はどんなところですか?

「高校よりも洗練されているプレーヤーが多いことと、大学ごとの色が出るところですね。すごいハイクオリティのチームプレーが行われている組織だなって感じます。プロになるとどうしても個人個人のプレーが注目されがちですが。大学野球はアマチュアの最高峰の選手たちが集まってくる舞台なので、そういう意味ではプロ野球とはまた違った楽しさがあると思います」

――出場する選手たちに期待することは?

「やはり野球はエンターテインメントなスポーツなので、もちろん結果ありきではありますが、古いしがらみにとらわれずに"魅せるプレー"を心掛けてほしいなと。アメリカのカレッジ・ベースボールがすごく盛り上がっているように、いかにして大学野球ファンを増やすかということを考えて、日本でも『これだけ面白いんだぞ』というところを見せてほしいですね」

昨年は東北福祉大(仙台六大学野球連盟)が14年ぶり3度目の優勝を果たしたが、今年はどの大学が日本一の座に輝くのか?ドラフト候補の有力選手たちが繰り広げる、一戦必勝の熾烈なトーナメント戦に注目だ。

Profile
斎藤佑樹(さいとうゆうき) 1988年群馬県生まれ。ドラフト1位で2011年に北海道日本ハムファイターズへ入団。高校時代は甲子園で優勝を経験、大学では東京六大学野球史上6人目となる通算30勝300奪三振を達成するなど活躍。

文=原田健 取材協力/写真提供:J SPORTS インタビューアー:高木遊

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放送情報

第68回 全日本大学野球選手権
放送日時:2019年6月10日(月)8:55~ ほか
チャンネル:J SPORTS 1 ほか
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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