プロデビューから勝率8割を維持している藤井聡太!その凄さを歴代勝率ランキングから振り返る

勝率歴代2位の記録を持つ中村太地八段
勝率歴代2位の記録を持つ中村太地八段

⒞囲碁・将棋チャンネル

歴代2位は中村太地八段が2011年度に記録した40勝7敗(0.8511)。こちらも中村が若手時代のもの。このうち2敗は新人王戦で奨励会三段に喫したものであり、これらの敗戦がなければ記録更新の可能性もあったと、リアルタイムで見ていて思ったのを覚えている。中村もこの翌年にはタイトル戦に登場するなど上位棋士となり、自身の記録に迫ったことはない。

歴代1位は中原誠十六世名人が1967年度に記録した47勝8敗(0.8545)。50年以上破られていない記録で、一時代を築いた中原の若手時代の記録だ。この記録がすごいのは棋聖戦五番勝負に出場してのものであること。結果は2連勝からの3連敗で敗れているが、仮に第3局を勝っていたら......。なお、中原はこの前年度も勝率8割を達成している。

他の棋士に目を向けると大山康晴十五世名人は意外にも勝率8割を達成していない。もっとも大山が若い頃は棋戦そのものが少なかったり、戦争があったなど、勝ち星を稼ぎにくかった事情がある。50代後半で勝率7割を2度達成するなど、規格外の記録がある。

渡辺明名人は2018年度に40勝10敗で勝率8割を達成。王将戦、棋王戦と2つ番勝負を戦っている。ただ、この前年に順位戦を降級。B級1組で全勝と、不調からの反動も大きいと言える。

さて、先述した中原の記録を今後破る棋士は出るか。十分に力をつけた若手棋士が絶好調を維持すれば常に更新の可能性はあると言えるが、現実には50年以上破られておらず、簡単ではない。ではデビューから6年連続で勝率8割超えを達成している藤井はどうか。すでに六冠で、今後七~八冠も視野に入りますます条件は厳しくなる。だが、年齢的にはまだ力が伸びる時期であり、昨年度は早指し4棋戦で全勝するという史上初の快挙もやってのけた。今後10年以内での記録更新という意味では、低段の若手棋士よりも藤井の方が可能性が高いかもしれない。

文=渡部壮大

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放送情報

第72期 ALSOK杯王将戦 七番勝負 第6局 藤井聡太王将 VS 羽生善治九段
放送日時:5月28日(日)13:00~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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