史上最年少で四冠達成!藤井聡太、11月の対局を振り返る

圧巻の強さで棋界最高位である竜王を獲得。同時に史上最年少での四冠も達成し、いよいよ藤井時代の本格的な幕開けだ。さらに年明けからの王将戦七番勝負の挑戦権も得て、ここからの戦いには前人未到の八冠制覇が期待される。

※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績

11月3日に第42回将棋日本シリーズJTプロ公式戦準決勝で永瀬拓矢王座と対戦。角換わりから後手の永瀬が先攻する展開となるが、藤井が強気の受けでリード。反撃してからは自然な手を積み重ねて粘りを許さず、完勝となった。日本シリーズでは初の決勝進出。

11月5日に第71期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグで豊島将之竜王と対戦。相掛かりから難しい戦いが続く中盤、藤井に意表の受けが出てペースをつかむ。豊島の粘り強い指し回しでなかなか差は広がらなかったが、細かく攻めをつないで寄せ切った。これでリーグは3連勝となった。

11月9日に王将リーグで羽生善治九段と対戦。矢倉模様の出だしから薄い玉形で受けに回る展開に。実戦的にまとめづらい局面が続くが、持ち前の読みの深さで持ちこたえ、最後は鮮やかな反撃を見せて制勝。4連勝と星を伸ばして挑戦に前進。

史上最年少で四冠を達成した藤井聡太
史上最年少で四冠を達成した藤井聡太

11月12、13日に第34期竜王戦七番勝負第4局で豊島将之竜王と対戦。角換わり腰掛け銀から、互いに角を中段に打ち合うバランスの難しい局面に。形勢判断の分かれる超難解な終盤となり、残り時間の少ない藤井が苦しいように見えたが、豊島が大長考の末に危険な順を選ぶ。藤井は逃さず、一気に寄せ切った。一気の4連勝で竜王を奪取。史上最年少四冠となり、序列1位にもなった。

11月16日に第80期順位戦B級1組で松尾歩八段と対戦。相掛かりからうまく桂を跳ねて藤井がペースをつかむ。松尾の勝負手をかわしきると、素早く反撃して短手数での勝利。7勝1敗と星を伸ばしてA級にまた一歩近付いた。

11月19日に王将リーグで近藤誠也七段と対戦。相掛かりから堅陣に固めた藤井は、近藤の反撃に強く対応。リードを奪うと危なげなく勝ち切り唯一の5連勝と星を伸ばした。近藤は2敗目となり他に1敗勢もいないため、最終戦を待たずに藤井の挑戦が決定した。

11月21日に日本シリーズ決勝で豊島将之九段と対戦。先手の豊島が角換わりから速攻を掛け、藤井も強く迎え撃って乱戦に。しかし先手の攻めの方が厳しく、激しい寄せ合いの末、豊島の一手勝ちとなった。

11月24日に王将リーグ最終戦で永瀬拓矢王座と対戦。相掛かりから藤井は後手番ながら積極的に動いていく。しかし永瀬に冷静に対応されて徐々に苦戦。勝負手もかわされ、リーグ全勝はならなかった。渡辺明王将との七番勝負は1月9日(日)、10日(月)に開幕する。

11月18日に第29期銀河戦決勝トーナメント1回戦の斎藤明日斗四段との対局が放映された。続く2回戦では佐々木大地五段と対戦する。SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2021はファン投票の結果、藤井は西側で圧倒的な票数を集めて1位。予選免除で決勝戦からの登場が決まっている。

文=渡部壮大

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放送情報

第29期 銀河戦決勝トーナメント 2回戦第4局 藤井聡太銀河 vs 佐々木大地五段
放送日時:2021年12月16日(木)7:00~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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