岩井勇気の推しアニメ>「時をかける少女」から「未来のミライ」まで細田守監督の作家性に僕が惹かれる理由

(C)「時をかける少女」製作委員会2006
(C)「時をかける少女」製作委員会2006

筒井康隆による名作小説を原作とし、その20年後を舞台とした『時をかける少女』

僕は、タイプリープもので最終的に世界を変えてしまうパターンが苦手なんです。でも、「時をかける少女」は、途中でぐちゃぐちゃになってしまっても、最後は元の世界に戻る。ここが僕の中ではすごく大事なことだと思っています。世界を変えてしまったら、自分目線では良くなっていても、どこかに弊害をもたらしている可能性がある。誰かを生き返らせると、誰かが死んでいる可能性だってある。この作品は良い側面だけを見ているタイムリープものじゃない、そういう意味で自分の中ですごくスッキリした作品です。そんな感想を持ったのは、大人になって観返した時なんですけどね。

(C)「時をかける少女」製作委員会2006
(C)「時をかける少女」製作委員会2006

原作の主人公だった芳山和子の姪である紺野真琴と、2人の少年との瑞々しい青春ストーリー(『時をかける少女』)

最後に、細田作品は自然を丁寧に描いているのもポイントです。田舎の風景や青空がとても綺麗で気持ちいいんです。あと、動物がよく登場するので、そこにも癒されますし、作品からマイナスイオンが出ている気がします。自然や動物にデジタルのような世界観が入り混じっても成立する、それが細田監督の作品の魅力でもあります。

取材・文=タナカシノブ

岩井勇気●1986年生まれ。幼稚園からの幼なじみである澤部佑とのお笑いコンビ「ハライチ」として活躍。初のエッセイ集「僕の人生には事件が起きない」が17刷り重版中。放送されるアニメ作品はすべてチェックし、テレビ朝日で放送中の「まんが未知」など、漫画やアニメに関する番組でもMCを務める。

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放送情報【スカパー!】

未来のミライ
放送日時:2021年8月9日(月・休)12:15~
時をかける少女(2006)
放送日時:2021年8月9日(月・休)14:00~
おおかみこどもの雨と雪
放送日時:2021年8月9日(月・休)15:45~
バケモノの子
放送日時:2021年8月9日(月・休)17:45~

チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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