岩井勇気が語る、「今までのゾンビものにはない始まり方」と感じた明るくPOPな青春ゾンビアニメ「ゾン100～ゾンビになるまでにしたい100のこと～」＜岩井勇気の推しアニメ＞

■言いたくても言えないモヤモヤした気持ちを吹き飛ばしてくれるような物語

アキラの地元での物語には、彼の大学時代の同級生・日暮莞太／ヒグラシ（声：岡本信彦）も登場します。彼もアキラと同じく「ゾンビになるまでにしたい100のこと」というリストを作っているのですが、社会への復讐といったネガティブな内容がほとんどです。異世界転生系のアニメでは、ヒグラシのようなタイプが主人公のことが多いですよね。でも、この作品では、ヒグラシとは対照的な、どこまでもポジティブなアキラが主人公で、観ていて気持ちがいいですよね。自分の負の感情を増幅するような作品より、こういった明るい作品が好きだなって思います。

今の時代、言いたくても言えないようなことがみんなありますよね。口に出すと、現状の負けを認めるように感じてしまうけれど、認めたその先に、自分が本当にやりたかったことや気持ちいいことがあるって、誰しもなんとなくわかっていても、なかなかできないじゃないですか。「ゾン100」は、そんな気持ちを吹き飛ばしてくれるような物語です。特に社会で働いている皆さんは、「観てよかった」と思えるような作品だと思います。

取材・文＝中村実香

岩井勇気●1986年生まれ。幼稚園からの幼なじみである澤部佑とのお笑いコンビ「ハライチ」として活躍。新潮社『僕の人生には事件が起きない』 『どうやら僕の日常生活は間違っている』が累計20万部突破。放送されるアニメ作品はすべてチェックし、毎日放送「岩井 狩野 えびちゅうの推しかるちゃー」やABEMA「SHIBUYA ANIME BASE」など、漫画やアニメに関する番組でもMCを務める。

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