アンジュルム・佐々木莉佳子、11年分の感謝を込めて卒業ライブで見せたパフォーマンス

その直後から、佐々木を呼ぶ大勢のファンの声がこだまする会場。一面に揺れる黄色いペンライトが幻想的な景色を作り出すと、しばらくして、佐々木が一人でステージに登場した。

この日、卒業という大きな節目を迎える彼女は、真っ白な衣装に身を包み、静かにマイクを手にする。すると「君だけじゃないさ...Friends」をしっとりと歌い上げていった。楽曲の途中から何度も泣きそうな表情を見せていた彼女は、キラリと一粒の涙をこぼすと、会場全体を改めて笑顔で見渡し、ファンへのあたたかな想いを歌声に乗せて届けていく。

そして、佐々木は手紙を取り出すと、ファンやメンバーへの感謝の気持ちを一つひとつ噛みしめるように語り始めた。9枚ほどあるという手紙を手に取ってマイクの前で話し始めた佐々木。アイドルを目指す大きなきっかけとなったのは、"3.11"の震災の経験だったといい、「3月11日は今でも、これから先も、忘れることはありません。笑顔というものがどれだけ、周りを自分を照らし、包み込むのか。光がなくなってしまったからこそ、自分が誰かの光になりたい!そう強く思い、私の、アイドルとして生きていく人生がスタートしました」と静かに語っていく。

ハロー!プロジェクトに加入してからの道のりは、「キラキラと輝いているもの」でもあり、「何度も立ち止まり、振り向きたくなることもあった」ものだったという。しかし、そうした日々の中で自身を支えてくれる仲間やファンの姿があったからこそ、アンジュルムの活動に力を注いでくることができたと、「わたしの人生においてアンジュルムとして出会ったみんなは、何にも変えられない、大切すぎる存在です」と力強く言葉を紡いだ。

そして、一人ひとりのメンバーの名前を呼びかけた佐々木。ここで感極まって泣きそうになりながらも、「明日から違う世界が広がっているのだと思うと、進み続ける時間が時には苦しくなることがあります。自分で選んだことだけれど、やっぱり皆のことが愛おしくてたまらないよ」「最高で最強なみんならしく、みんなの色でこれからのアンジュルムを作り上げていってね」と、メンバーにメッセージを語った。

手紙の最後には、佐々木からファンへの大きな愛のメッセージが。佐々木は「あなたと私が出会えた今の時代を生きることができて幸せだと思っています」「(ファンと)どこかで支え合って生きているような感覚がありました」「私もみんなの幸せを誰よりも願っています」「みんな、また会おうね。どうか、大好きな皆さんを取り巻く環境が優しい世界でありますように」とあたたかな言葉を語り、佐々木からの卒業に寄せた手紙の朗読を終えた。

その後、白い衣装をまとった佐々木と、ベージュの衣装に身を包んだメンバーによるアンコールステージは、まず「旅立ちの春が来た」をパフォーマンス。そして、本公演ラストのMCへ。各メンバーから一言ずつ、佐々木への想いなどが語られた。

後藤は「佐々木さんのあったかい言葉とか笑顔とか本当に大好きです」と涙ながらに語り、下井谷はメドレーで「天真爛漫」を披露したことに触れ、「佐々木さんと私と花ちゃんと、この曲を歌いたいって選曲してくださったのがすごく嬉しくて。歌えてよかったです」と笑顔で佐々木への愛をコメントした。平山も涙声になりながら「佐々木さんに幸せでいてほしい」「いろいろなことがあると思いますが、どうか幸せで、笑って過ごしてください」と佐々木へのあたたかな想いを言葉にして届けると、佐々木のパフォーマンスに憧れていたという松本は「佐々木さんのきらきらとした、これからの未来を見据えている姿がとても素敵なので、応援したいなと思います」と、佐々木の門出を祝福した。

為永は、佐々木にダンスのアドバイスをもらったときのエピソードを披露。佐々木からアドバイスをもらうと悔し涙を流してしまうことが多かったといい、「悔し涙ばかりじゃなくて、佐々木さんのように嬉し涙、感動の涙、いろんな涙を流せる人になりたいなと思いました」とコメント。川名は、佐々木とファンの間にあるあたたかな関係性に「佐々木さんって宇宙一のアイドルだなって思って。私の目指す先はここだなと」「これからも背中を追い続けていきたいです」と、佐々木が卒業した後の自身の目標も含めてメッセージを語った。

佐々木から心に残る言葉をたくさんもらったという橋迫は「心にとめて大切にしていきたい」と語り、マイクを通さずに佐々木へ「大好きです!」と特大の声で愛を伝えた。伊勢は、「寂しいですね、やっぱり」と冒頭から涙声に。彼女にとって佐々木は本当に大きな存在だったと語り、「(佐々木の卒業が)自分が変わるタイミングだなって。自分でも分からないけれど、佐々木さんからの『自信を持ってね』っていう言葉を大事に、これからも自分らしく生きていきたいと思います」と感極まった様子で語った。川村は、佐々木のパフォーマンス面での活躍に触れながら、「佐々木さんと一緒に活動できた期間は宝物です。長年のアイドル活動お疲れ様でした!」と佐々木のこれまでの活動をねぎらった。そして、上國料は「全員、やっぱり成長できるすごく大きな機会だと思うので、皆さんもアンジュルムのことを見守ってくれたらと思います!」とリーダーらしくコメント。

最後に佐々木が、改めてファンやメンバーへの想いを語るためにマイクを取った。佐々木は「今日が全部最後になるんだなあと」としみじみ語ると、「アイドル人生に一片の悔いなしです!」と朗らかに語った佐々木は、「そう思わせてくれたのは、皆さんだなと思います」と観客に語りかけると、「これからもアンジュルムのことを見守ってくださると嬉しいです。皆さん本当に、10年間、たくさんの愛を、ぬくもりをありがとうございました!」とファンへの感謝の気持ちを述べ、MCを終えた。

アンコールの最後は、メンバー全員が涙と笑顔を浮かべ、「THANK YOU,HELLO GOOD BYE」と「友よ」を披露。佐々木の企画したセットリストで行なわれた卒業公演は、大盛況の中で幕を閉じた。

文=HOMINIS編集部

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写真集・公演情報

アンジュルム佐々木莉佳子卒業記念フォトブック「girasol」
発売日:2024年6月4日

Hello! Project 2024 Summer ALL OF US 「ベガ」「アルタイル」
出演:モーニング娘。'24 / アンジュルム / Juice=Juice / つばきファクトリー / BEYOOOOONDS / OCHA NORMA / ハロプロ研修生ユニット'24
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