欅坂46・菅井友香が初主演を務める舞台「飛龍伝2020」で8代目となる神林美智子を演じる。
同作品は、これまで幾度となく上演され続けてきたつかこうへいの名作。富田靖子、牧瀬里穂、石田ひかり、内田有紀、広末涼子、黒木メイサ、桐谷美玲といった名立たる女優たちが主人公の美智子を演じてきた。1月30日(木)から東京・新国立劇場で上演される。
学生運動の真っただ中の'60年代、全共闘作戦参謀の桂木(味方良介)と出会い恋に落ちた美智子(菅井)は、やがて全共闘40万人を束ねる委員長にまつり上げられてしまう。11.26最終決戦を前に、桂木は美智子を女として機動隊員の部屋に潜入させることを決める...というストーリー。
今回、菅井にインタビューを行い、美智子の印象や演じる上で意識していることなどについて語ってもらった。
――台本を読んだ感想は?
「なかなか一言で表すのは難しい作品なのですが、いろんな人物にそれぞれの行動の理由や正義、信じるものがあるんです。主人公の美智子も自分の確固たる信念がある中でいろんなことが混ざり合って、最終的に『これは誰が悪いとかではないんだな』と感じて、ちょっと切なさが残りました。そんな中にいろんなユーモアがちりばめられていて、すごく重いけど楽しく観られる作品だなと思いました」
――美智子の印象は?
「原作と照らし合わせながら台本を読んだのですが、最初は美智子の心情を理解するのが難しくて...。でも、演出の岡村(俊一)さんに解説していただいて理解できる部分が増えて美智子のことがどんどん好きになりましたし、自分とは全然違う人物で持っていないものをたくさん持っていることに気付いて『自分も見習いたい部分が多いな』と思いました」
――演じる上で意識していることは?
「相手の台詞を受けてどう心が動くかというのを意識して演じています。また、『40万人を束ねる委員長というのは、相当な覚悟と責任感がないと務まらない』と思って、強さを見せる時に姿勢を正してちょっと太めの強い声を出すよう心掛けています」
――美智子との共通点は?
「スケールは違いますが欅坂46でキャプテンという役職をいただいているので、『グループを守りたい』と強く思っている部分では似ているかなと思います。性格的には全然違っているのですが、自分の愛した人や信じる人のためなら自分を犠牲にできる美智子のいちずで真っすぐなところに憧れているので、自分もいつかそういう人になりたいです」
――自分と真逆のキャラクターを演じることについては?
「自分が憧れる存在でもあるので、この役を演じることによって美智子の性格を自分のものにできたらいいなって思います。舞台が終わる頃には、もうちょっとキャプテンらしくなりたいな(笑)」
――稽古に臨むに当たって毎日行っていることは?
「やっぱり"滑舌トレーニング"ですね(苦笑)。ボイトレの先生に教えていただいたトレーニングを毎日やっていて、口にワインのコルクを挟んで『あ行』から『わ行』まで発声していくのですが、お稽古場でやるのはちょっと恥ずかしいので家でやっています。この舞台が終わる頃には、滑舌が良くなっているかもです!」
――美智子がスパイとして潜入するシーンがありますが、ご自身が潜入してみたいところは?
「大好きな大型スーパーに潜入していろいろ食べまくりたいです(笑)。あと、たくさんの食材がどういうふうに保存されているのか、裏側も見てみたい!」
――美智子は集団の中でカリスマ的な存在になっていきますが、欅坂46の中でカリスマ性を感じるメンバーは?
「やっぱり"てち(平手友梨奈)"はカリスマ性がありますね。ライブでもお客さんの歓声で『求められているんだな』って感じて、カリスマ性はずば抜けているなって。モニターでパフォーマンスを見ていても目を引くので、パフォーマンスにおいても天性のものを感じます」
――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
「欅坂46として活動させていただく中ではなかなか見せることがないような姿をお見せすることになるのでちょっと緊張もあるのですが、あくまで物語の中として観ていただいて、それも含めて好きになっていただけたらうれしいなって思います」
文=原田健 撮影=皆藤健治
放送情報
飛龍伝2020
<東京公演>
1月30日(木)~2月12日(水)
※1月29日(水)はプレビュー公演、2月3日(月)・10日(月)は休演
東京・新国立劇場 中劇場
<大阪公演>
2月22日(土)~24日(月・祝)
大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
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