欅坂46が「欅共和国2017」で見せたアイデンティティ

4月6日にCDデビュー4周年を迎えた欅坂46。デビュー曲の「サイレントマジョリティー」の大ヒットを足掛かりに日本のアイドルシーンを駆け上がり、昨年9月には東京ドーム公演2デイズも成功させ、不動の地位を確立した。欅坂46のこれまでの歩みの中にはいくつものターニングポイントがあったが、2017年7月22日・23日の2日間にわたり山梨県・富士急ハイランド コニファーフォレストで開催された初の野外ワンマンライブ「欅共和国2017」もそのひとつだ。

「サイレントマジョリティー」に続いて、「世界には愛しかない」「二人セゾン」「不協和音」とリリースしたシングルが次々とヒットし、直前(7月19日)に発売された1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』も大きな話題となっていたタイミングでの開催となった同公演。

ファンファーレが鳴り響き、欅坂46のメンバーがステージに登場。このオープニングから"欅共和国"というコンセプトを打ち出し、大きな旗を使ったパフォーマンスで会場を沸かせた。メンバーがステージから退くと「Overture」が流れ、この日の出演メンバーがビジョンに映し出された。そして再び欅坂46のメンバーがステージに現れ、大量の水が噴き上がる演出で魅せた「サイレントマジョリティー」、メンバーが客席に散水ホースで放水し、ファンがジェット風船で盛り上げた「世界には愛しかない」、花道で優雅に踊って癒しを与えてくれた「二人セゾン」と、序盤からシングル曲を惜しみなく披露。水を使った演出も野外ならではの演出と言えるだろう。「僕たちの戦争」でもメンバーが散水ホースや大型の水鉄砲で客席を水浸しにしていた。

撮影:上山陽介

シングル曲以外にも、カップリング曲として収録されていたソロ曲やユニット曲も楽曲の世界観にあった演出が施されていた。平手友梨奈のソロ曲「渋谷からPARCOが消えた日」では赤い衣装でバイクの後部座席に乗って颯爽と登場して、クールでかっこいい一面を見せてくれた。メッセージ性の強い「大人は信じてくれない」や「エキセントリック」ではステージ後方のビジョンに歌詞を投影。長濱ねるのソロ曲「また会ってください」は、それらとは対照的に派手な演出を排除して、場内の花道を歩きながら歌う長濱を際立たせた。平手と長濱のユニット曲「微笑みが悲しい」も同じく、大掛かりな演出ではなく、2人の仕草や表情が生かされていた。

撮影:上山陽介

けやき坂46の出番ではグループの名刺がわりの「ひらがなけやき」、ライブでの定番曲にもなっている「誰よりも高く跳べ!」など、フレッシュなパフォーマンスを見せて、ハッピーオーラで会場を包んだ。

「手を繋いで帰ろうか」で会場と一体感を作り上げ、オープニング同様、旗を使った力強いパフォーマンスを披露し、たくさんの打ち上げ花火と共に本編を締めくくった"欅共和国"。アンコールでも、坂道AKBの「誰のことを一番 愛してる?」を披露するサプライズでファンを喜ばせ、「不協和音」では炎の特効が激しいダンスを盛り立てる。ラストは欅坂46とけやき坂46のメンバーによる「W-KEYAKIZAKAの詩」。会場は緑のペンライトの色に染まった。

撮影:上山陽介

"欅共和国2017"はターニングポイントのひとつと冒頭に書いたが、その理由はいろいろ挙げることができる。"初の野外ライブ"ということで水や花火などの演出を有効的に使っていること。1stアルバムをリリースした直後ではあるが、8月からツアーが決まっていたため、敢えてアルバム曲を組み込まないという大胆なセットリスト(2日目のWアンコールで「危なっかしい計画」のみ披露)になっていたこと。CDデビューから1年4ヶ月ほどの時期だったため、初々しさを保ちながらも自信をつけた堂々としたパフォーマンスが見られたことなど。同公演はファンとの絆を深め、今後の活動を期待させるものだった。

撮影:上山陽介

このライブの模様が4月26日にMUSIC ON! TV(エムオン!)にて放送される。アイドルシーンのトップへと坂道を駆け上り始めた欅坂46の勇姿を見て、その魅力を再確認してもらいたい。

文=田中隆信

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放送情報

M-ON! LIVE 欅坂46 「欅共和国2017」
放送日時:2020年4月26日(日)19:30~
チャンネル:MUSIC ON! TV(エムオン!)
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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