Dorothy Little Happy、終わりのないストーリー

@ JAM EXPO 2017 「EXPO Dream Stage」 5人体制のDorothy Little Happyが一夜限りの復活ライブ。夏の終わり、それはアイドルファンにとって大きなニュースだった。

キャッチコピーは「聴けばカラダが踊りだす。見ればみんなが恋をする。」

仙台在住のDorothy Little Happy (ドロシーリトルハッピー)はリーダー・白戸佳奈(KANA)、髙橋麻里(MARI)、秋元瑠海(RUUNA)、富永美杜(MIMORI)、早坂香美(KOUMI)の5人で、2011年3月16日ミニアルバム『デモサヨナラ』でメジャーデビュー。

メジャーデビュー5日前には東北地方太平洋沖地震でメンバーも被災、岩手県・宮城県・福島県では1ヶ月以上店頭にCDが並ばなかった。5人は4月後半から復興ライブをスタートし、「今日は避難所からドロシーの曲を聴きに来ました」と地元の被災者達に笑顔を与え続けた。それから4ヶ月後、国内最大級のアイドルフェスティバルTOKYO IDOL FESTIVALで、圧倒的なパフォーマンスや代表曲『デモサヨナラ』の歌詞「好きよ 好きよ」に、ファンが「\オレモー!/」と答えるコール&レスポンスが話題となり、全国に名を広めた。その後も歌とダンスでファンを魅了し、ドロシーは2011年アイドル界「最大の発見」と言われる。

2013年には『colorful life』が、オリコンシングル週間ランキング初のTOP10入り。2014年2月に発売したアルバム『STARTING OVER』は名作と高く評価され、第3回アイドル楽曲大賞2014のアルバム部門1位に輝いた。同年9月ZEPP DIVER CITY TOKYOのワンマンライブは、満員に埋めたファンの前で大盛況のうちに幕を閉じた。ドロシーが紡ぎ出す物語は、アイドル界の伝説となっていく。

だが結成5周年の2015年、秋元瑠海、富永美杜、早坂香美が卒業を発表。

メンバー3人の卒業ライブでは、ラスト曲『未来へ』を歌う前の挨拶で「ドロシーが大好きだった。だけど叶えたい夢のために卒業する」その想いが溢れた秋元瑠海とリーダー白戸佳奈の間で口論が勃発する。卒業理由について噛み合わない口論の末、白戸佳奈は言った。「3人が卒業するってなっていろいろありました。これはメンバーだけの問題じゃなくて、本当のことを言えば大人の人たちも関わってるし、だから私たちだけでは解決できないことだと思います」突然の卒業発表で不明瞭の中、最後にメンバーの気持ちが聞けて嬉しかったと想うファンもいる。中野サンプラザホールで、5人のドロシーは素晴らしいパフォーマンスを魅せてくれた。だけど完成度の高いライブより、観客の前で起きたアイドルの喧嘩ばかりがネットで大きく拡散されていった。

白戸佳奈と髙橋麻里は2人体制のDorothy Little Happyとして、秋元瑠海、富永美杜、早坂香美はcallmeとして別々の道を歩み出す。そして2017年7月23日、向日葵の咲く会場で最高のライブを終えて、白戸佳奈が卒業と芸能界引退。以降、Dorothy Little Happyは髙橋麻里のソロプロジェクトとして活動を始めた。

未来へ「光に満ちあふれてる」

もう一度、5人の笑顔が見たい。中野サンプラザホールからおよそ2年、ファンの夢が叶う。8月27日横浜アリーナ@ JAM EXPO 2017 「EXPO Dream Stage」、ストロベリーステージの上手から白戸佳奈と髙橋麻里、下手からcallmeの3人が歩き出し中央で円陣を組んで5人のドロシーのパフォーマンスが始まる。その瞬間に、気持ちを抑えきれず涙する観客も多かった。ずっと強く、願い続けた光景だった。

1曲目『ストーリー』から、指先まで揃ったダンスの繊細さと透明な歌声で満員の会場をドロシーの世界観へ惹きつける。彼女達の動きは、疾走感溢れる『Tell me tell me!!』や重厚感漂う『ASIAN STONE』、可愛らしく爽やかな『sky traveler』と音楽の雰囲気に合わせてガラリと変えていく。@ JAMでは1グループ25分の持ち時間の中、ドロシーには約1時間のステージが与えられた。だけど12曲では足りないと思わせるほどのライブを見せてくれた。

色褪せない5人の美しいパフォーマンスに、2人が守り続けたドロシーの想いと3人がcallmeで身に付けたスキルが織り交ざって、観客の心に響く。

中盤のMCでは秋元瑠海が「子供だった、あの時は」と話しかけ、白戸佳奈が「人生は色々ある」と笑いながら答える。そこにはネットで騒がれている悲壮感などなかった。そして5人は中野サンプラザホールのラストに披露した『未来へ』を歌う。「すべては未来へと時がつながってそしてどんな時も笑顔であなたと笑いあえるように」歌詞のように、過去から未来へ5人の絆が繋がっていく。その後も『ジャンプ!』『恋は走りだした』など、会場に一体感があふれる最高のパフォーマンスで盛り上げて、最後を締めくくるのは名曲『デモサヨナラ』。ファンは声が枯れるくらいに「\オレモー!/」と叫び、鳴り止まない拍手の中5人の復活ライブは終わる。

だけど5人の物語は、これからも続いていく。

髙橋麻里はDorothy Little Happyと新人声優としても歩み始め、3人のcallmeはセルフプロデュースユニットとして歌を創り続ける。そして白戸佳奈は晴れる明日へ、新しい夢のストーリーを描いていく。

映像にはDorothy Little Happyが積み重ねてきた7年間の軌跡も、彼女達を支え続けたファンの汗と涙も映ることはない。だけど何も知らない人達でさえ、輝きは心に宿る。それほど素晴らしいライブだった。

@JAM EXPO 2017~ストロベリーステージ、スカパー!で放送。ぜひ見てほしい。

※この記事はライブレポートのため、実際の放送内容とは異なります。

Writer:金珠愛

※この記事はヨムミル!ONLINEの転載になります。

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放送情報

@JAM EXPO 2017~ストロベリーステージ

放送日時:2017年12月24日(日)19:00~

チャンネル:アイドル専門チャンネルPigoo

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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