薬師丸ひろ子は唯一無二の歌声と表現力の持ち主!ピアニスト・鶴谷崇がその魅力を語る

俳優・歌手として40年以上のキャリアを誇る薬師丸ひろ子。まっすぐでりんとした歌声と感情豊かな表現で「セーラー服と機関銃」「探偵物語」「メイン・テーマ」「Woman "Wの悲劇"より」「あなたを・もっと・知りたくて」「紳士同盟」など、多くのヒット曲を生み出してきた。
12月10日(日)、そんな薬師丸が昨年開催した40周年記念ライブツアー「薬師丸ひろ子 40th Anniversary Tour 2022 ~アナタノコトバ~」の模様がWOWOWプラスで放送される。本公演でもサポートメンバーを務めた鶴谷崇さんに、薬師丸の魅力を尋ねた。

ピアニスト・鶴谷崇
ピアニスト・鶴谷崇

■特徴は唯一無二の「ミックスボイス」

2018年の秋に行われたBillboard Liveでのツアーからサポートミュージシャンとしてステージに参加していたピアニスト/キーボード奏者の鶴谷崇さんは、歌手・薬師丸ひろ子の歌声をこう分析している。
「薬師丸さんの声は本当に唯一無二で、"ミックスボイス"と呼ばれる特徴のある歌声をされています。高い声を出すときに裏声と地声の境目がなく、時おりオペラを聴いているような感覚になることがあります。ご本人がどれくらい意識されているのか分かりませんが、その声、そして豊かな表現は薬師丸さんの歌でないと聴けないものです」

■憧れの薬師丸ひろ子と共演して見えた人柄

実は、サポートとして参加する以前から薬師丸ひろ子の大ファンだったという鶴谷さん。ファン歴も長く、きっかけは薬師丸の主演映画「Wの悲劇」だったという。
「中学生の頃、もうすでに薬師丸さんはものすごい人気でした。ちょうど主演映画『Wの悲劇』が公開された頃で、映画の劇中劇になっていた『Wの悲劇』の原作(夏樹静子の小説)の文庫のカバーが薬師丸さんで、それを買ったのがきっかけでした。その本を読んで、映画を見に行き、ラストシーンの薬師丸さんの演技が特に好きで...。後にテレビ放映されたものをビデオに録って何十回も見ていました(笑)。それが薬師丸さんのファンになったきっかけです。のちに、薬師丸さんのステージでその曲を弾けるなんて思ってもいませんでしたし、サポートとして参加できることが決まった時はすごく感慨深かったです」

薬師丸がカバーになっている文庫を手にしたことから、映画にハマり、主題歌にハマり、そして俳優、歌手としての"薬師丸ひろ子"の魅力に惹かれていった。サポートとして参加することになり、本人と会った時、思い抱いていたイメージと同じだったこともうれしかったことだと挙げてくれた。
「バンドマスターの弦一徹さんに声を掛けてもらってサポートとして参加させてもらったんですが、最初は薬師丸さんのファンだということは言えず、そのツアーが終わって、いくつかイベントライブが終わった後、一区切りついた時にご本人に『実は以前からファンでした』とお伝えしました。『えー?そんなそんな!』と照れ笑いされてましたが、ファンになった頃からのイメージと変わっていないなと思いましたね。お会いして分かったのは、すごく腰の低い方だということ。僕らのような後輩に対しても、一人一人に丁寧に接していただいて、本当に裏表がないんです。それに、一人でなんでもできてしまう方で、移動なんかも一人でタクシーで行ってしまうくらいでした」

■俳優としての経験を、音楽にも生かす

"人柄"などについて語ってもらったが、音楽的な一面についても一緒にステージをやってみて気付いたことがあったようだ。
「ステージ上での集中力の高さです。ライブって一発勝負なんですよね。薬師丸さんはお芝居のお仕事もされているので、本番での気持ちの切り替えの早さとか、集中力というのが重要になってくると思うんですが、ライブにおける薬師丸さんの集中力の高さは本当にすごいと思いました。歌と演技を両立されていて、そこで培ったものが大きいのかなと思いました。それと、バンドが演奏する音をよく聴かれているのも分かりました。80年代の音楽番組だと生バンドの演奏で歌われることも多く、しかも本来のテンポじゃないテンポで歌ったりしてますよね。そういう経験があったから、演奏しているグルーヴにすぐに乗って歌えるんだと思います。リズム感が良くて、ミュージシャンとしてのレベルも高いんです」

そんな薬師丸ひろ子が歌手デビュー40周年記念のコンサートツアー「薬師丸ひろ子 40th Anniversary Tour 2022 〜アナタノコトバ~」を2022年の秋に開催。そのファイナルとなった東京・国際フォーラム ホールAでの公演がWOWOWプラスで放送されることが決定している。
「40周年記念のコンサートということで、ヒット曲や代表曲がずらりと並んだセットリストでした。1曲目が『ここからの夜明け』という曲ですが、コロナ禍でコンサートができなかった時期があり、そういう時期を乗り越えて次に向かう気持ちと重なる曲でもあるので、薬師丸さんの希望でこの曲が1曲目になりました。もう一つ注目してもらいたいポイントは、40周年スペシャルメドレーを#1と#2というふうに2つ盛り込んで、それぞれ違う演出で聴かせるという感じになっています。そのメドレーの中に『紫の花火』という曲があるんですが、これは薬師丸さんが作曲されています。ご本人も『作曲、薬師丸ひろ子さん』と言っていましたし、お気に入りの曲なのでぜひ聴いてみてください」

取材・文=田中隆信

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放送情報【スカパー!】

薬師丸ひろ子 40th Anniversary Tour 2022 ~アナタノコトバ~
放送日時:12月10日(日)21:00~
放送チャンネル:WOWOWプラス
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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