圧倒的な歌唱力とダンスパフォーマンスを武器に、日本のミュージックシーンをひた走る三浦大知。"和製マイケルジャクソン"と評された子供時代から突然の活動休止、紆余曲折を経て再びブレイクを果たした彼のこれまでの軌跡を振り返ってみたい。
1997年に沖縄出身の小中学生で結成された7人組ダンスグループ・Folderのボーカルとしてわずか9歳で音楽業界に登場した三浦。ハイトーンでパワフル、かつ伸びのある三浦のボーイソプラノは高く評価されており、デビューシングル「パラシューター」は10万枚以上のスマッシュヒットを記録。順風満帆な船出となった。以降順調に活動を続けていく中、2ndアルバム『7 SOUL』の発売直後となる2000年4月、変声期を理由に突如として芸能活動の休止を発表。同時に7人組としてのFolderの活動も約3年間でピリオドが打たれることになる。
変声期は思春期の男子にとっては避けては通れない成長過程だ。所属事務所の社長には、「この時期に喉を酷使してしまうと、今後喉がつぶれてしまうかもしれない」という危機感があった。そうした助言を受け入れた三浦にとって、活動休止の理由はいわば喉の温存であり、普通の中学校生活を謳歌しながらも歌やダンスを忘れることはなかったという。しかし、活動休止から3年、15歳の時にスタッフの前で試しに歌ってみたところ、結果は予想外のものだった。3年のブランクは筋肉を衰えさせ、思うように声を出せなかった。歌うために休止を選んだ三浦は当時の心境を「何のために喉を温存したのか」と苦悩していたことを明かしている。
再デビューがいったん白紙になった三浦ではあったがそこで腐ることなく、米国・ニューヨークへと渡ってダンスを学び、また帰国後はギターやピアノのレッスンに明け暮れながら再びチャンスを待つことになる。そして2005年3月に「Keep It Goin' On」で再デビューが決まった。彼がMVで見せたボーカル&ダンスという圧巻のハイパフォーマンスは「これは本物が来た」とプロも舌を巻くほど。だが、約5年間活動を休止していた三浦への世間の認知度は高いとはいえず、すぐさまブレイクとはいかなかったのも神が与えた試練だろうか。
その後、知る人ぞ知る存在としてくすぶり続けた三浦に転機が訪れたのは2012年。13枚目シングル「Right Now/Voice」のダンスリハーサルの様子をスタッフがインターネットにアップしたことがきっかけだった。三浦はこの動画の中で、ダンサーとの一糸乱れぬ動きを見せる「シンクロダンス」を披露している。この動画は瞬く間に拡散され、この時、世間が改めて三浦大知という才能に気が付いたのだ。
以後、トップアーティストとしての彼の活躍は周知の通りであるが、その中でもう一つ彼は特異な才能を見せつけている。それがリズムなし、ボーカルなしでバックダンサーとの動きをシンクロさせる「無音ダンス」だ。頭の中で同じ音楽が、同じタイミングで流れているからこそ完成する鳥肌もののパフォーマンスは第68回紅白歌合戦(2017年)でも披露し、彼の代名詞として広く知られることとなった。
2018年も最新シングル「U」までを網羅したシングルコレクションにして自身初となるベストアルバム『BEST』を3月7日に、最新アルバムとなる「球体」を7月11日にそれぞれリリースするなど絶好調の三浦。今年はa-nation 2018への出演も発表されており、その模様はエムオン!とBSスカパーにて生中継される。さらに彼の魅力に迫ったスペシャルプログラム「三浦大知"BEST"スペシャル 拡大版」もスペースシャワーTVにて放送。今年の夏は三浦大知の魅力を存分に堪能してみてはいかがだろうか。
文=安藤康之
放送情報
三浦大知“BEST”スペシャル 拡大版
放送日時:2018年7月29日(日)20:00~
チャンネル:音楽・ライブ! スペースシャワーTV
テレビ独占生中継!a-nation 2018 大阪DAY1
放送日時:2018年8月18日(土)14:30~
チャンネル:BSスカパー!
テレビ独占生中継!a-nation 2018 東京DAY2
放送日時:2018年8月26日(日)14:30~
チャンネル:MUSIC ON! TV(エムオン!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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