開花した大きな才能、三浦大知のパフォーマンスの軌跡を辿る

昨年末は『NHK紅白歌合戦』に初出場し、前半の最高視聴率を獲得、『日本レコード大賞』では優秀作品賞を受賞するなど、今、熱い注目を集める三浦大知。ここではそんな彼のこれまでの軌跡を振り返ってみる。

専門性やロジックを超えた驚きのパフォーマンス

『NHK紅白歌合戦』で話題になった、アカペラからの『Cry&Fight』~無音ダンス~『EXCITE』という流れは、ダンスパフォーマンスやR&Bに詳しくない人でも、そのすごさは一目瞭然だった。彼のダンスの切れ味、無音でもシンクロするというダンサーとの息の合い方、そして激しいダンスをしながらもブレない歌唱力。言葉にするといきなり説明的になってしまうが、そこには当然、天賦の才能とともに不断の努力があったのは間違いない。

現在の彼の活躍を、テレビを始めとするマスメディアでは、Folder休業以降、18年越しのブレイクといったセンセーショナルな表現をしているが、その間も彼はソロ・アーティストとして数々の前人未到のチャレンジを繰り返してきた。

作詞、作曲、歌唱と振り付けを同等に捉え、表現する感性

三浦にとってダンスの振り付けは、基本はありつつも特定の形式にはめ込んでいくものではなく、楽曲からインスパイアされて"歌うように"表現するもの。2008年リリースの6thシングル『Inside Your Head』以降は自ら振り付けを行い、ときには作詞、作曲も手掛けるなど、現在のスタイルの基礎を固めていく。その個性が顕著になったのは、2011年のセルフタイトルとも言える3枚目のアルバム『D.M.』からだろう。そして、その明確になったアーティスト性が後押しし、2012年5月には自身初の日本武道館公演を大成功におさめた。

またミュージック・ビデオ以外にも、ダンスリハーサルの様子などの映像も積極的に公開し、定点カメラで撮影した『Right Now』はファンの枠を超えて注目を集めた。以降、編集なしのワンテイク・ダンスなど驚愕のスキルを披露し、ダンサーとのシンクロ、曲の世界観に合ったスムーズな振り付けも相まって、ファンを増やしていった。

数多い先鋭的なアーティストのコラボレーション

歌とダンスが一体となったR&Bシンガーとして貴重な存在である三浦は、他のアーティストとのコラボレーションも多い。初期から三浦の才能を認めていたKREVAは、自身のコラボ連作の中で久保田利伸、草野マサムネ(スピッツ)らに続いて、2009年に『Magic Remix(KREVA×三浦大知)』をリリースしている。ギター一本で世界を駆ける"サムライ・ギタリスト"MIYAVIの"対戦型コラボレーション・アルバム"第二弾『SAMURAI SESSIONS vol.2』(2017年11月)収録の『Dancing With My Fingers』では、演奏とダンスのコラボはもちろん、三浦のボーカリストとしての瞬発力の高さも証明した。他にも世界的にその才能が認められているダンサー・菅原小春とミュージック・ビデオで共演した『Unlock』など、いずれも表現姿勢がアグレッシブなアーティストとコラボし、その都度、話題になってきたことも忘れてはならないだろう。

常に謙虚で練習熱心であり、ダンスを含めた音楽のトータルアートを追求するスタンスは、彼がリスペクトするマイケル・ジャクソンに通じるものがある。それは"和製マイケル・ジャクソン"というイージーな形容とは真逆なオリジナリティを作り上げつつある。

昨年の本格的なブレイクを経て、今、最も気になる存在である三浦大知を今回の特集でのステージ・パフォーマンスや貴重な映像でさらに深掘りして欲しい。

Writer:石角友香

※この記事はヨムミル!ONLINEの転載になります。

この記事の全ての画像を見る

放送情報

三浦大知 Video & Live History

放送日時:2018年3月2日(金)22:00~

チャンネル:MTV HD

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物