山本彩がソロ活動をしていく中での変化を語る「これまでは猫をかぶっていたかも(笑)」

――9月4日には2ndシングル「棘」がリリースされました。

「はい。1stシングルの『イチリンソウ』はグループを卒業してソロで活動するにあたって作った曲で、ずっと応援してくださった方への決意表明でもありましたし、これから知ってくださる方にもフックというか、きっかけになればいいなと思って作った曲でした。『棘』はそれよりも少し前にメロディーのデモができていて、『いつか歌いたいな』って温めておいた曲なんです。今回、2ndシングルがリリースできることが決まって、『ぜひこれを！』と思ってデモを提出しました」

――歌詞もサウンドも力強さというかアグレッシブさを感じます。

「『イチリンソウ』のような面だけじゃなくて、こういう一面も知っていてほしいなと思ったので、自分の中に眠っていた感情や思いを表現してみました」

――まだ見せてなかった一面を感じてもらおうと。

「はい。これまでちょっと猫かぶってたところがあったかもしれないです。もうそろそろ出してもいいかなって(笑)」

――"お前の物差しなんぞ知らねぇ"とか"偽りながらいきていく術など知りたくない"というフレーズもインパクトが大きいですね。

「自分自身もそうなんですけど、勝手な物差しではかられたりして傷つく時もあれば、この歌詞のようにムカつく時もあると思うんです。でもそのたびに傷ついていたらキリがないなって思いますし、逆に"何クソ根性"というか、それをプラスにできるようにもなったので、自分と同じような状況の人が同じような考え方で跳ね除けられるような曲になったらいいなって思っています」

――前作では"プロデュース＆アレンジ"を、曲によって違う方が担当されていました。今回は根岸孝旨さんが手がけられているのは「棘」が強い楽曲だからですか？

「まさにその通りです！実はこの曲のデモを提出した後、『この曲のアレンジを誰に頼んだらいいのかわからない』って大人の人たちがすごく悩んでしまって(笑)。『一旦置いておこう』って2ndシングルとして出すのを持ち越しにしようという話にもなったんです。でも、私も『この曲で行きたいんです！』って本音をぶつけて話をしたら、この曲には根岸さんがいいんじゃないかという話が出てきまして」

――Coccoさんや阿部真央さんの楽曲を手がけられたりしていますからね。

「はい。根岸さんとは今回"はじめまして"でした。私の意見とか考えをすごく言いやすい雰囲気で引き出していただいて、それをしっかりと形にしてくださいましたし、とても優しい方でしたね」

――ソロアーティストとしての今後の目標は？

「代表曲が欲しいです。フェスに出演した時に、他のアーティストの方のステージを観させてもらったりしたんですけど、たくさんの人が知ってる曲があるって強いなって思いました。特別詳しいというわけではないアーティストさんのライブ観たとしても『この曲知ってる！あの曲も知ってる！』となると楽しみ方も変わってきますし、誰もが知ってる曲を持ってるってフェスのような不特定多数の方が観る場面では強みになるのをすごく感じました」

――曲作りは常に行なっているのですか？

「締め切りに追われていて、ずっと作っています(笑)。今は目的があるので、それに向かって取り組んでいるところです」

――では最後に「MTV LIVE PREMIUM」の見どころを改めてお願いします。

「不安症なので、いつもライブの本番前に『ミスったらどうしよう？』とか思ったりしてしまうので、それを打ち消すぐらいの闘志を燃やすようにしています。今回もいつものバンドメンバーですし、会場が札幌cube gardenということで、自分のツアーで北海道を回る時のような感覚で楽しくライブができたらいいですね。家にいながら楽しんでもらえるものなので、画面越しにも伝わるように意識してお届けしたいと思っています」

※取材は8月中旬に実施

文＝田中隆信　撮影＝皆藤健治

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