"再生"する東京事変 その唯一無二の魅力に迫る

東京事変、再生。これが2020年最初の大きなニュースとなった。1月1日、新曲「選ばれざる国民」を配信リリースし、2012年2月の"解散"以来、8年ぶりに本格的に活動を行うことを発表した。

■メンバーの個性を生かしバンドのスタイルを確立

東京事変は2004年、椎名林檎、亀田誠治(ベース)、刄田綴色(はたとしき)(ドラム)、H是都M(エイチゼットエム)(キーボード)、晝海幹音(ひらまみきお)(ギター)のメンバーで"バンド"として活動していくことを表明し、シングル「群青日和」でデビュー。「新宿は豪雨〜」で始まるこの曲は、「歌舞伎町の女王」を歌ってきた椎名らしさを感じさせつつも、メンバー個々の個性が音に表れていて、バンドとしての"東京事変"を強烈に印象付けた。

1stアルバム『教育』をリリースし、バンドとしてのベーシックな形を築いた後、2005年7月にH是都Mと晝海の脱退、同年、浮雲(ギター)と伊澤一葉(キーボード)の加入という大きな転機が訪れた。個性的な2人が抜けたが、新メンバー2人もまたクセの強いミュージシャンゆえ、バンドに新たな化学変化をもたらした。2006年1月リリースの2ndアルバム『大人(アダルト)』から新体制となり、この年は新メンバーとともにライブやツアー、主催イベントなどを積極的に敢行。2007年にリリースした3rdアルバム『娯楽(バラエティ)』は椎名が作詞に専念、作曲は浮雲と伊澤が主に担当したことによって"第2期"と呼ばれるバンドのカラーとスタイルを確立した。

■細部までこだわった楽曲やライブ

東京事変の作品には遊び心がそこかしこに見られる。アルバムのタイトルが1stの『教育』に始まり、2nd『大人(アダルト)』、3rd『娯楽(バラエティ)』、4th『スポーツ』、5th『大発見』、さらには解散後にリリースしたカップリング集も『深夜枠』と、テレビ番組のチャンネル名になっていて、解散直前の2012年1月にリリースされたミニアルバムは『color bars』と、まさに放送終了を表したものとなっていた。2020年、再生後初のミニアルバムが4月8日にリリースされるが、こちらのタイトルも『ニュース』と付けられていて期待を裏切らない。

他にも、1stの『教育』に収録されている各曲の時間が「2:52」「3:33」「4:04」のように全てがシンメトリーになっていたり、『スポーツ』の曲タイトルが7曲目の「能動的三分間」を軸に文字数がシンメトリーになっていたり、『大発見』の曲タイトルが「天国へようこそ」「絶対値対相対値」「新しい文明開化」とすべてが7文字(サブタイトルを除く)であったりと、細部までこだわっていることが伝わってくる。

ライブも東京事変の魅力を感じさせてくれる空間である。CDとしてリリースされた時が楽曲の完成形ではなく、バンドの成長と共に楽曲たちも成長/進化している。レコーディングの時とは全く違うアプローチでアグレッシブに攻めるライブアレンジなど、柔軟に変化していく。

2月29日(土)から全国ツアー「Live Tour 2020 ニュースフラッシュ」の開催が決定しているが、そうなると気になるのが"再生"後の新しい東京事変の楽曲たち。1月1日に配信リリースされた「選ばれざる国民」は軽やかなテンポのサウンドに、"終日片手はオンライン"というフレーズで始まるスマホ依存的な今の社会を風刺しているような歌詞を乗せているところが印象的。これまでの東京事変の楽曲にはあまり無かったタイプの曲になっており、8年の年月を経て進化した今の姿を表しているように感じた。

4月8日(水)には5曲入りのEP『ニュース』のリリースも控えている。2012年のミニアルバム『color bars』ではメンバー5人それぞれが持ち寄った楽曲で構成されていたが、今回もメンバーそれぞれが作曲した5曲が収録される。「選ばれざる国民」で垣間見えた"最新"の東京事変の全貌がきっとその新作で明らかになるはず。楽しみにしたい。

■リリース情報
New EP『ニュース』 4月8日(水)発売
[収録曲] 「選ばれざる国民」含む、新曲を全5曲収録(予定)

文=田中隆信

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放送情報

東京事変 Live Selection
放送日時:2020年3月2日(月)20:00~ほか
チャンネル:MTV
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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