"ヒゲダン"の愛称でおなじみのOfficial髭男dism。藤原聡(ボーカル&ピアノ)、小笹大輔(ギター)、楢崎誠(※「崎」は正しくは「立さき」) (ベース&サックス)、松浦匡希(ドラム)の4人組で、2018年4月にドラマ「コンフィデンスマンJP」の主題歌に抜擢された「ノーダウト」でメジャーデビューし、2019年5月にリリースした「Pretender」が大ブレイク。この曲は今も多くの人に聴き続けられていて、YouTubeでのMV再生回数は2億6000万回を突破している。
2019年10月にリリースしたアルバム『Traveler』のリリースを受けて、3月から展開される予定だった全国ツアー「Official髭男dism Tour 2020 - Arena Travelers -」。その振替公演として、9月26日に自身初のオンラインライブが配信された。
ライブは8月にリリースしたEP「HELLO EP」よりタイトル曲の「HELLO」でスタート。藤原の"Hello"という歌声が響き、アップテンポで明るいサウンドがたくさんの視聴者のテンションを一気に上げていったはず。ホーンセクションが派手さを演出するヒット曲「宿命」、銀テープの特効も華やかに盛り上げるデビュー曲「ノーダウト」と、序盤からヒゲダンの魅力がたっぷりと味わえる内容になっていた。
「本来回るはずだったアリーナツアーに、今回はオンラインライブだからこそ、みんなに楽しんでもらえる工夫を混ぜて1本のライブを作りました。全員に音楽の楽しさを伝えられるように自分たち自身も久しぶりのライブを全力で楽しんで素晴らしい時間を作れたらいいなと思っております」と藤原がMCで話した通り、視聴者がアリーナという広い空間でのライブを体感している雰囲気を見せつつ、ステージ上のメンバーの表情、サポートミュージシャンを含めた演奏の様子もしっかりと伝えてくれる。そういったカメラワークに加え、「Rowan」ではフィルムカメラのようなちょっとレトロな質感で見せるなど、映像的なエフェクトもあって、オンラインライブだからこそできることも随所に散りばめられていた。
オンラインライブを通常のライブの代わりにはしたくなかった。自分たちがここで歌って、みんなが"オンライン"という形で音楽を受け取ったなら、バンドとみんなの思い出の1つになる。そんな思いを藤原が語って、後半戦は公開中の映画「思い、思われ、ふり、ふられ」の主題歌にも起用されている「115万キロのフィルム」からスタートした。ライブに向けて事前に行われた楽曲投票で1位になった「異端なスター」では、藤原、小笹、楢崎がお立ち台に乗って演奏したり、「旅は道連れ」ではメンバー全員がボーカルを取ったり、より楽しんでいる様子がうかがえる。
終盤も「Stand By You」「Pretender」「I LOVE...」といった大ヒットシングルをたたみかけ、ヒゲダンの楽曲の良さ、ライブの楽しさを改めて感じさせてくれた。最後の曲は「ラストソング」。歌詞の中に"もっと歌いたいのにな"というフレーズがあるが、この日のメンバーたちの心境も同じだったはず。「絶対にまた元気で会いましょう!」という藤原の言葉で初のオンラインライブの幕は下ろされたが、この日のライブは元々のツアーの代わりではなく、次へと繋がる"この日だけ"の特別なステージとなった。
この7つのメディアから同時配信され、大きな話題となったオンラインライブを11月7日(土)にスペースシャワーTVで放送されることが決定。ライブの模様はもちろん、当日の密着映像もまじえてオンエアされる予定なので、ヒゲダンのライブを観たことがないという人も、当日オンラインで観たという人も楽しむことができるはずだ。
文=田中隆信 撮影=溝口元海(be stupid)
放送情報
Official髭男dism ONLINE LIVE 2020 -Arena Travelers-
放送日時:2020年11月7日(土)20:00~
チャンネル:スペースシャワーTV
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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