BiSH、アイナ・ジ・エンドの引く手あまたの歌声

アイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dという6人で構成されている"楽器を持たないパンクバンド"、BiSH。「プロミスザスター」「PAiNT it BLACK」「stereo future」など、多くのヒット曲を生み出し、今や日本の音楽シーンのメインストリームを突っ走る存在となっている。

2020年、新型コロナウイルスの影響でイベントやライブツアーの中止を余儀なくされたが、4月に配信限定シングル「TOMORROW」を、7月には初のベスト・アルバム「FOR LiVE -BiSH BEST-」とメジャー3.5thアルバム「LETTERS」をリリース。そして、10月28日には配信シングル「STORY OF DUTY」もリリースし、世界文化遺産の軍艦島で撮影したMVも話題となった。12月24日には332日ぶりとなる有観客ワンマンライブ「REBOOT BiSH」を東京・国立代々木競技場第一体育館で開催することも決定している。

そんなBiSHは、アユニ・Dがソロプロジェクト"PEDRO"で活動し、モモコグミカンパニーが12月にエッセイ集を発売することが決定しているなど、メンバー個々での活動にも精力的。そんなメンバーの中で、アイナ・ジ・エンドもソロでの活躍が注目されているひとり。アイナは4歳からダンスを始めて、BiSHの振り付けも担当するなど、独創性があり発想が豊か。ボーカリストとしても、ハスキーな歌声と表現力の高さで多くの人を魅了している。

ソロ曲を初めてリリースしたのは2018年9月。セントチヒロ・チッチとの両A面スプリット・シングルとして発表した「きえないで」だった。この曲はアイナが初めて作詞・作曲したオリジナル曲で、編曲・プロデュースをJポップのヒットメイカー、亀田誠治が担当して、クオリティの高い作品に仕上がっている。2020年2月には自身も原作ファンだというドラマ「死にたい夜にかぎって」(MBS/TBS)で同名のエンディングテーマを書き下ろした。

ソロ曲だけでなく、フィーチャリング・アーティストとして多くコラボをしているのもアイナの大きな特徴。MONDO GROSSOの「偽りのシンパシー」、MY FIRST STORYの「2 FACE」、DISH//の「SING-A-LONG」、ジェニーハイの「不便な可愛げ」というラインナップを見てみても、ジャンルの枠を超えて、さまざまなアーティストがアイナの歌声を欲していることがわかる。

もう一つ注目したいのは、アイナがゲスト・ボーカルとして参加した、今年6月開催の配信ライブ「HINA-MATSURI 2020」。この「HINA-MATSURI」は、ストレイテナーなどで活躍するベーシスト・日向秀和が中心となって行なっているライブイベントで、3回目となる今年は3月3日に開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期になり、6月に配信ライブとして開催。ベースの日向、ドラムの松下マサナオ、ギターの柳下"DAYO"武史、キーボードのちゃんMARIからなるスペシャルバンドとの共演が話題になった。

1曲目は「ベース始まりなんで、どうしてもひなっちさんに弾いていただきたくて、この曲を持ってきました」という理由で、BiSHの「SMACK baby SMACK」を披露。攻撃的なボーカルを、凄腕バンドのサウンドに負けない力強さで聴かせた。2曲目はフジファブリックの「陽炎」をカバー。テンポ感のいい楽曲を気持ち良さそうに歌唱。間奏での揺らぎを感じさせるしなやかな振り付けにもアイナらしさを感じた。3曲目はテレビの音楽番組でも披露した椎名林檎の「罪と罰」のカバー。オリジナルも個性が強いが、その良さを保ちつつ、アイナ独特の違うベクトルからの個性をぶつけて表現。第一声から惹きつけられる凄みが感じられた。ラストはアイナのソロ曲「きえないで」。18歳の時に作ったアイナの原点と言える楽曲を2020年に歌うことで、ボーカリストとしてだけでなく、ソングライターとしての天賦の才をも再確認することができた。BiSHの曲、タイプの違うカバー曲、自作曲という構成は、アイナの音楽性が知れる内容となった。

この模様は11月28日(土)にスペースシャワーTVで放送される。アイナ・ジ・エンドのボーカリストとしての魅力をぜひたっぷりと味わってもらいたい。

文=田中隆信

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放送情報

HINA-MATSURI 2020
放送日時:2020年11月28日(土)23:00~
チャンネル:音楽・ライブ! スペースシャワーTV
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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