結婚・出産を経て「人生の第2幕の始まり」と語るソン・イェジン、20年以上も前の名作「ラブストーリー」に見る「初恋」のイメージ

明るく可憐なジュヒと、優しく控えめなジヘ。公開当時21歳になったばかりの清純そのもののイェジンが演じる"母娘"の恋はそれぞれにもどかしく、切なく、愛おしい。「バリでの出来事」(2004年)で大ブレイクする直前のチョ・インソン、今やミュージカル界のスターとしても活躍するチョ・スンウとの"ケミ"も、初々しく魅力的だ。

本作の原題が「クラシック」なだけあって、クラシック音楽の美しい調べを背景に繰り広げられる母ジュヒの恋は、思いを伝える手段が文通だったり、再会シーンでフォークダンスが登場したりと、なんともピュアでクラシック。三つ編み＆制服姿や花柄ブラウスというジュヒのファッションも、清純なイェジンによく似合っていて、"国民の初恋"と呼びたくなる瑞々しさに満ちている。

前述の映画祭のイベントで、結婚・出産を経た今を「俳優人生の"チャプター2"の始まり」と表現したイェジン。40代を迎え、内面から滲み出る美を身につけた彼女の"新章"を楽しみに待ちつつ、スクリーンの中で永遠に輝き続ける"チャプター1"の姿を目に焼き付けておきたい。

文＝酒寄美智子

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