ヒョンビンのワイルドさが倍増！「私の名前はキム・サムスン」のダニエル・ヘニーとの「再会」にも心躍る痛快アクション

正義感にあふれ、最強に腕が立つリム・チョルリョンのワイルドな魅力は今作でも健在だ。

無精ひげ姿でファンの度肝を抜いた前作「～共助」から5年。その間に「愛の不時着」で北朝鮮の堅物軍人リ・ジョンヒョクという新たな当たり役を得たヒョンビンだが、「～国際共助捜査」ではスーツに身を包んだ捜査員・チョルリョンとしてカムバック。オープニングのド派手な銃撃戦から始まって、ロシアの軍隊格闘術・システマを取り入れた接近戦も絶品。さらに、刃物を持ったチンピラたちにハエ叩きで応戦し、年上のジンテにも言いたいことを言うチョルリョンの飄々としたキャラクターも相変わらず魅力的だ。

一方、韓国映画界の名バイプレイヤー、ユ・ヘジン演じるジンテも、後輩たちがドローンやITを操る中で「どんなに世界が変わっても刑事は足で捜査するもんだ」と言い放ち、現場主義を貫く様子が痛快。そんなジンテとチョルリョンが笑顔で抱き合って再会を喜び合うシーンには、前作で命を預け合った2人ならではの絆が滲む。

そこにFBI捜査官のジャックとして新たに加わるのが、ダニエル・ヘニーだ。「私の名前はキム・サムスン」に続いて、"四季シリーズ"の最終章「春のワルツ」(2006年)でも注目を浴び、その後は「クリミナル・マインド」シリーズなどアメリカでも活躍する彼が電撃参戦。ジンテとチョルリョンの"共助捜査"にさらなる国際色を加えている。

"アベンジャーズ"さながらの3人のタッグにコミカルな味を加えているのが、チョルリョンとジャックのささやかなプライドのぶつかり合いだ。

ジャックは「外国ではみんな友達だ」と年上のジンテにもタメ口で話す一方で、女性に対しては丁寧な言葉使いと爽やかな笑顔のジェントルマンに早変わり。チョルリョンに恋するジンテの義妹ミニョン(少女時代・ユナ)までもジャックをちやほやし始め、チョルリョンは苛立ちを募らせる...。

ヒョンビン＆ダニエルが17年ぶりに同じ画面に収まって会話を交わしているだけでもファンには堪らないが、「私の名前はキム・サムスン」では穏やかな信頼関係で結ばれた2人が、今作ではちょっとしたジェラシーも漂わせ、ちょっかいを出し合っているあたりも胸熱ポイント。前作を超える本格アクション＆手に汗握るサスペンス展開はもちろんのこと、コミカル要素も内包した3人のケミもじっくり味わいたい。

文＝酒寄美智子

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