"オヤジ"たちのプライドを賭けた闘い!「逃亡者」ハリソン・フォードトミー・リー・ジョーンズは全てが格好いい

(C)Warner Bros. Entertainment Inc.

キンブルを追うのは、トミー・リー・ジョーンズが扮した連邦捜査官サミュエル・ジェラードと部下たち。護送車の事故現場に現れたトミーのジェラートは初登場の瞬間から"デキる男感"がたっぷり。テキパキと非常線を張る指示を矢継ぎ早に出していくだけで格好いい。ジェラードが率いている部下たちもキャラが立っていて、紅一点の黒人女性プールや可愛げがある若い新人のニューマンら「チーム・ジェラード」の面々の活躍もサスペンスドラマの王道を行く。

もともとは1960年代に制作されたドラマのリメイクのためか、1話1時間弱で終わるドラマのように展開はスピーディー。山中での逃走劇からキンブルが戻ってきたシカゴに舞台を移して、サスペンスの要素が強くなっていく。ジェラードのリーは山中でのラフな服装も素敵だが、シカゴで捜査している服装の格好よさも必見。特にクック郡病院から拘置所、セント・パトリック・デーの行列にまぎれたキンブルを追うまでの、紺のコートにエンジ色のマフラーとジーンズ、紺のジャケットにきっちりネクタイを締めたいでたちは、フォーマルの中に捜査官らしいアクティブさも醸し出している。厳格な法の番人たるジェラードを象徴する装いだ。「逃亡者」の名場面といえば、山中でジェラードに追われたキンブルが、水道管での追跡劇を経てダムの絶壁から川へダイブするシーンがあるが、シカゴでの駆け引きも見ごたえがある。

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そして事件の黒幕になるチャールズ・ニコルズ(ジェローン・クラッベ)と真犯人の義手の男、フレデリック・サイクス(アンドレアス・カツーラス)にキンブルは接近していく。

公開当時、ハリソンは51歳でトミーは47歳。クラッベとカツーラスも40代で、メインキャラクターは全員が年季の入った"オヤジ"。生半可な若者ではない大人だけでのドラマだからこそ、彼らのプライドを賭けた闘いに見入ってしまう。キンブルは己の冤罪を晴らすため、ジェラートは保安官として法と正義を守るため。最後に本性を現すサイクスとニコルズも、少しも動じないで悪の魅力を放つ。

ラストはやっぱりハリソンのためか、肉弾戦で決着をつける。円熟した男たちのバトルにパトカーやヘリコプターも繰り出し、舞台は豪華なシカゴのヒルトンホテル。アメリカのアクション映画の王道を行く舞台設定で、キンブルとジェラードに生まれた絆に溜飲が下がる、スカッとする物語だ。

文=大宮高史

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放送情報【スカパー!】

ハリソン・フォード 逃亡者
放送日時:2024年11月10日(日) 23:15~ ほか
チャンネル:ザ・シネマ
※放送スケジュールは変更になる可能性がございます

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