対する新人弁護士ユリを演じるのは、2004年に子役としてデビューし、まだ29歳ながら20年のキャリアを持つ実力派ナム・ジヒョン。八木勇征×齊藤京子W主演で日本リメイクされた「あやしいパートナー〜Destiny Lovers〜」(2017年)では、チ・チャンウク演じる敏腕検事と恋に落ちる司法修習生役でも注目された。本作では、成績優秀だが情に厚く、理不尽なことは許せないユリの"真っ直ぐさ"を熱演。わがままだったり保身に走ったりする依頼人たちに頭を悩ませながらも、日々奮闘する生真面目なキャラクターを見事に体現した。

そんな2人が互いを理解し合い、絆を築いていく過程が本作の見どころ。完璧主義なウンギョンが時折覗かせる弱さと、そんな彼女の二面性に気づいて徐々に歩み寄っていくユリの成長、そして足りない部分を補い合う2人の関係性に、胸が熱くなる。やがて2人は最強のパートナーとなり、完璧な"離婚ショー"を作り上げるため法廷に赴く。

現職の離婚専門弁護士でもあるチェ・ユナが脚本を手掛けているとあって、法廷でのやりとりはもちろん判決のリアリティーや弁護士たちの何気ない会話に至るまでがリアルで、作品をしっかりと底支えしている。

昨年末に行われた「2024 SBS演技大賞」ではナラがみごと大賞を受賞し、涙の受賞スピーチで感動を呼んだ。さらにジヒョンが最優秀演技賞、そして劇中の法律事務所"テジョン"がベストチームワーク賞を受賞。この結果からも、本作が法を通していかに"人と人との絆"を深く描いたかが分かる。

本作のウンギョン役で"童顔クイーン"とはまた違った魅力を見せたナラ、そしてその良き相棒となるユリの成長を演じたジヒョン。2人のケミストリーをじっくり味わいたい良作だ。

文＝酒寄美智子