これぞマクチャンドラマ！韓国を騒然とさせたキム・ソヨン扮する「稀代の悪女」の役作り

韓流ドラマのお約束ともいえる"マクチャンドラマ(どん詰まりという意味合いからトンデモナイ状況に陥るドラマを指す)"。その中で、昨年から今年にかけて「21世紀最高のマクチャンドラマ」とファンを熱狂させている話題作が、ソウルのタワーマンション"ヘラパレス"を舞台に繰り広げられるサスペンス「ペントハウス(原題)」シリーズだ。

欲望と愛憎にまみれた強烈なストーリーが話題を呼び、韓国では昨年放送の第1シーズン、今春放送の第2シーズンともに瞬間最高視聴率30％を突破。「2020 SBS演技大賞」でも最多の9冠を獲得するなど、名実ともに2020年を代表するドラマとなった作品だ。その圧倒的な支持を受けて制作された、シリーズ第3弾にして完結編となる「ペントハウス3(原題)」が、8月28日(土)からKNTVにて日本初放送される。

ソウルのセレブが集う100階建ての超高層マンション・ヘラパレスで、上流階級入りを目論む実業家や欲深い住人たちが、互いにマウンティングし合うさまが怒涛の展開で描かれる...というのが「ペントハウス」シリーズの大筋だ。

シリーズを通じてストーリーを牽引するのが、ヘラパレスの中でも最上階・ペントハウスに住むキム・ソヨン演じるソジンと、スリョン(イ・ジア)、そしてソジンの因縁の相手で不動産コンサルタントのユニ(ユジン)ら、美女3人によるプライド剥き出しの壮絶バトル。中でも、相手を蹴落とし、人生の勝者になるためならどんなことでもいとわないソジンの狂気に満ちた存在感は、シリーズを重ねるごとにさらに磨きがかかり、視聴者を圧倒してきた。

誰もがうらやむ美貌の奥に、嫉妬や憎しみ、欲望を潜ませるソジンを演じたキム・ソヨンは、これまでも、「アイリス」(2006年)や「ハッピーウエディング」(2016年)などに出演してきた美人女優。最新主演作の「ペントハウス」シリーズで、成功者であるソジンの恐ろしい裏の顔を豊かな表情で表現し、韓流ドラマ史に残る"稀代の悪女"とまで称賛された。

さらに、妻子ある実業家チュ・ダンテ(オム・ギジュン)とW不倫密会に興じるシーンでは妖艶な色気も漂わせ、この作品で一気にトップ女優の仲間入りを果たしたソヨン。実生活では2017年に結婚した俳優のイ・サンウとの"おしどり夫婦"ぶりが広く知られており、そのサンウが「ペントハウス2」に特別出演したことでも、当時話題になった。

「ペントハウス3」では、それまでの悪事が露呈し、ソジンや不倫相手のダンテが刑務所に収監されているところから始まる。精神錯乱を装いまんまと釈放を勝ち得たソジンだったが、自由の身となった彼女の前に、因縁の相手、ユニとスリョンが現れ、崖から突き落とす――と、のっけからシリーズ前2作を上回る衝撃展開が待ち受ける。

"稀代の悪女"とまで称されたソジン役について、過去のインタビューで「共感する点はありません(笑)。(役とのギャップについては)原色系の衣装を着て、リップもレッドを主に使い、派手に見えるように気を配りましたね。ほかの悪役俳優の方の映像をたくさん見て準備しました」と語っていたソヨン。

ビンタや罵倒といった激しい演技について、「リハーサルを徹底していたので、NGはほとんどありませんでした。殴るシーンはお互いに申し訳なくてどうしたらいいかわからなくなるものですが、いつも大丈夫だと言ってくださった共演者の皆さんのおかげです」と、共演者への感謝を口にするなど、その素顔は謙虚そのものだ。

あくなき欲望に突き動かされるソジンの原動力については「愛情の欠乏と不安定な愛着が、満足することのできない欲望の原動力になったのだと思います」と語っていたソヨン。「ペントハウス3(原題)」では、そんなソジンがたどり着く終着点を目の当たりにすることになる。

KNTVでは「ペントハウス3」日本初放送に先駆け、主要キャストが集結し、撮影裏話を語った特別番組「『ペントハウス』SP～隠された物語」(8月14日)、「『ペントハウス2』SP～秘密の物語/終わらない物語」(8月21日)を放送。また、"WEBドラマ"のプリンスことキム・ヨンデら、子ども役を演じている若手俳優たちが一堂に揃った最新作の特別番組「『ペントハウス3』SP～終わりの始まり」も、9月2日(木)に日本初放送される。

熱演したキャスト陣のインタビューや撮影裏話で予習・復習しながら、韓国で社会現象を巻き起こしたサスペンスの顛末にどっぷり浸ってほしい。

文＝酒寄美智子

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