「イカゲーム」で世界的に再注目!50歳目前のイ・ジョンジェ、今見ると逆に新鮮な純愛模様

「イルマーレ」
「イルマーレ」

今年9月に配信され、世界的なヒットを記録した「イカゲーム」。崖っぷちの人物たちが莫大な賞金のデスゲームに挑むスリルとエンタメ性の高さで、早くもシーズン2の構想が飛び出しており、ドラマ界の世界的な権威と言えるゴールデン・グローブ賞で作品賞を含む3部門にノミネートされるなど、業界を席巻している。

そんな本作で大きな存在感を放ったのが、ギャンブル狂いがたたり借金まみれになってしまうダメ男を喜怒哀楽豊かに演じた主演のイ・ジョンジェだ。初めて彼を認識したという人も少なくないかもしれないが、12月で49歳を迎えた彼は、韓国映画界では知らない者はいないビッグスター。ゆえに「イカゲーム」のボサボサヘアー&ジャージ姿はインパクト抜群だった。

韓国の青龍映画賞の男優主演賞を史上最年少で受賞するなど、若い頃から頭角を表していたジョンジェ。『シュリ』(1999年)のヒットにより、韓国映画が高く評価され始めた2000年代初頭には、日本でも彼の出演作が立て続けに公開され、注目を集めていた。

男女の恋模様が描かれた日韓合作の『純愛譜』(2000年)では、役所勤めの単調な日々に辟易する虚無を抱えた青年を体現。芽の出ないお笑い芸人と余命幾ばくもない妻の切ないラブストーリー『ラスト・プレゼント』(2001年)でも、妻の病に動揺しながら支えようとする人間味のある演技で感動を誘った。

イ・ジョンジェがチョン・ジヒョンと共演したファンタジックな恋愛映画「イルマーレ」
イ・ジョンジェがチョン・ジヒョンと共演したファンタジックな恋愛映画「イルマーレ」

(C)2000 Sidus corporation, ALL RIGHTS RESERVED

そんなヒューマン系の作品の中でも、後にキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックの共演でハリウッドリメイクされるなど、大きな注目を集めたのが『イルマーレ』(2000年)だ。

『猟奇的な彼女』(2001年)のチョン・ジヒョンとジョンジェが共演を果たした本作は、ある海辺の家のポストを通じて時空を超えた手紙のやりとりをする、未来と過去を生きる男女の関係を描いたファンタジックなラブストーリーだ。

「イルマーレ」
「イルマーレ」

(C)2000 Sidus corporation, ALL RIGHTS RESERVED

ジョンジェが演じたのは、2年後の未来から届いた手紙を不審に思いながらも、手紙のやりとりでヒロイン・ウンジュ(ジヒョン)と心を通わせていく青年のソンヒョン。父との関係から心に傷を負っている役どころで、ジョンジェは文通によって徐々にイキイキとしていく変化を繊細かつチャーミングに表現。また、時間という壁に阻まれ、ウンジュと逢えないことに対する切ない表情など、自然な演技でファンタジックな物語に説得力をもたらした。

「イルマーレ」
「イルマーレ」

(C)2000 Sidus corporation, ALL RIGHTS RESERVED

2000年代初頭に絶妙なたたずまいを活かしてラブストーリーで人気を獲得すると、その後は『ハウスメイド』(2010年)では家政婦と関係を持つようになる大金持ち、『新しき世界』(2013年)ではヤクザ組織に潜り込んだ潜入捜査官を渋みたっぷりに体現。かと思えば『神と共に』シリーズでは、死者の運命を握る冥界裁判を仕切る閻魔大王といったぶっ飛んだ役も見事に演じ切り、時にダーティーに、時にシリアスに、振り幅のある役でインパクトを放ち続けてきた。

「イルマーレ」
「イルマーレ」

(C)2000 Sidus corporation, ALL RIGHTS RESERVED

「イカゲーム」でジョンジェはこれまでとは真逆の情けなくて軽薄さもある男を演じ、新境地を開拓。見事、ゴールデン・グローブ賞テレビ部門主演男優賞にもノミネートされた。最新作『ハント(原題)』では監督・脚本も担当するなど、まさに"新章"とも言える活躍ぶりだが、そんなタイミングだからこそ、若かりし日のピュアな演技は、新鮮に映るはずだ。

文=HOMINIS編集部

この記事の全ての画像を見る

放送情報

イルマーレ
放送日時:2022年1月7日(金)23:40~
チャンネル:KBS World
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物