「海街チャチャチャ」で大ブレイク！キム・ソノが「最強の2番手」を払拭したイケメン警察官

世界的なブームを巻き起こした数々の韓流ドラマの中で、昨年高い反響を呼んだ作品の1つが「海街チャチャチャ」(2021年)。この作品は、取り立てて刺激的な要素こそないが、味わい深く心がじんわり温まるヒーリングドラマで、とりわけファンの心を癒した存在が、キム・ソノ演じる"ホン班長"だ。

人気女優シン・ミナ扮するワケあり歯科医とのロマンスもさることながら、誰にでも優しいホン班長の人柄に虜になった人も多かった。そんなソノが正義感あふれるエリート刑事に扮し、キャリアの勢いを加速させるきっかけとなった2019年のドラマ「君のハートを捕まえろ！～Catch the Ghost～」が、ホームドラマチャンネルにて3月8日(火)より放送される。

キャリア初期は舞台を中心に活動していたソノ。30代に入り、その知名度を一気に拡げた作品と言えば、EXOのD.O.(ディオ)ことド・ギョンスが主演を務めた大ヒット時代劇「100日の郎君様」(2018年)だ。D.O扮する世子(王子)を支える一方で、密かにヒロインへの恋心を募らせるエリート役人で、その飄々とした言動が印象に残っている人も多いのではないだろうか。

そして、世界的にも反響を呼んだ「スタートアップ：夢の扉」(2020年)で、ヒロインを深い愛情で包み続ける投資家・ジピョン役でスターダムへ。どちらもヒロインを想う役柄だが、主人公の"恋のライバル"的な役回りであり、そうした印象から"最強の2番手"ともいわれてきた。

特に「スタートアップ：夢の扉」のジピョンは、架空の人物になりきって初恋相手のダルミ(ペ・スジ)を手紙で支え続ける"足長おじさん"的な存在。ライバルとなるドサン(ナム・ジュヒョク)に対してもフェアな姿勢で対するジピョンの人気は高く、ファンの間で"ドサン派"か"ジピョン派"かの論争が巻き起こるほどの注目を集めた。

その後、「海街チャチャチャ」(2021年)での大ブレイクは周知の通りだが、まさにキャリアを急上昇させていた2019年、"1番手"のイケメン警察官に扮した人気ドラマが「君のハートを捕まえろ！～Catch the Ghost～」だ。

ソノが演じたのは、地下鉄警察隊所属の"コ班長"ことコ・ジソク。警察学校を主席で卒業したエリートで、原則第一主義の冷静なキャラクターだ。第1話の冒頭、地下鉄内でのスリ捕獲デモンストレーションのシーンでは、そんなジソクのカッコいいアクションがさっそく楽しめる。

コンビを組むのは、かつて"国民の妹"と呼ばれたムン・グニョン扮する熱血新人警察官のユ・リョン。慎重で真面目なジソクと、無鉄砲な行動派であるリョンという正反対なコンビがバディを組み、様々な事件を乗り越えながら信頼関係で結ばれていく。

連続殺人事件などシリアスな展開もありつつ、全体を通してどこかコミカルなのは、生真面目過ぎて逆にちょっとどんくさいジソクのキャラが絶妙に効いているからこそ。第1話では、スリと間違えられて手錠をはめられたまま車内に放置されたり、スクーターに跨るリョンの運転に対して「スピード違反だぞ！」「停止線を越えてる！」と、後ろから口を出したりと、ところどころでコミカルな振る舞いを見せてくる。

その一方で、部下がピンチの時には身を挺して守ってくれる頼もしい一面も。認知症である母を看病するために出世を諦め、比較的残業が少ない地下鉄警察隊に異動した背景も明かされ、ストーリーが進むにつれてジソクのキャラクターにどんどん深みが増していく。ハラハラする事件捜査シーンもさることながら、ぶつかり合ってばかりだったリョンとの間に芽生えていく恋模様からも目が離せない。

主人公をしのぐ存在感で"最強の2番手"といわれたソノが、「スタートアップ：夢の扉」のジピョン役よりも前に見せた、1番手ならではの存在感――そのカッコよさと可愛さのギャップをぜひ堪能してみてほしい。

文＝酒寄美智子

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