幼い頃から妖怪を見ることができる少年・夏目貴志と、彼を取り巻くや人と妖怪の交流を繊細なタッチでつづるアニメ「夏目友人帳」。2008年にスタートしたTVシリーズは第六期まで放送され、2018年9月29日(土)には、シリーズ初の長編映画「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」が公開される人気作だ。今回、その朗読劇「SOUND THEATRE × 夏目友人帳 ~集い 音劇の章~」「SOUND THEATRE×夏目友人帳 ~音劇の章 2018~」がTV初登場となる。
「SOUND THEATRE」は、朗読劇の基盤である"読み聞かせ"はもちろん、生演奏や舞台美術、照明や特殊効果、衣裳などにまでこだわり、五感を刺激する要素をふんだんに取り入れることで、観客の想像力を限界まで刺激することを目指した朗読劇プロジェクト。
「~集い 音劇の章~」は、2013年9月に開催された公演で、夏目貴志役の神谷浩史、夏目の相棒でもある妖怪・ニャンコ先生/斑(まだら)を演じる井上和彦をはじめとする、メインキャスト陣が出演。第一幕では、夏目がとある沼で出会ったホタルの妖怪と、かつて妖怪を見ることができ、ホタルと親交が深かった人間の物語。ファンの間でも屈指の名エピソードといわれているTVシリーズ第一期の第八話「儚い光」をベースにした音劇版「儚い光 ~きずな~」を披露。
第二幕は、サウンドシアター作品において作・脚本・演出を手掛けている藤沢文翁によるオリジナル書き下ろしストーリー「偽り神」が上演された。こちらは、古物商に眠る掛け軸のツクモ神と、店の一人娘のエピソードだ。
そして「~音劇の章 2018~」は、2018年1月に再びメインキャスト陣が集結して開催されたシリーズ第3弾。第一幕では、遠い昔にタオルを貸してくれた恩人を一途に思う、愛らしい少女の姿をした妖怪と、夏目との出会いを描いたTVシリーズ第五期の第二話をベースにした音劇版「悪戯な雨」を披露。
第二幕では、TVシリーズ第一期から第四期の監督を務め、第五期から第六期では総監督を務めた、大森貴弘によるオリジナル書き下ろしエピソード「そこに響く音を」が上演された。こちらは、夏目たちが大きな岩の姿をした身動きできない妖怪のために、音が染み入る不思議な石に音を集めるエピソードとなっている。
どちらの朗読劇も、作品の優しくも切ない叙情的な雰囲気を再現した舞台上で、声優陣の穏やかながら力強い名演が味わえる秀作だ。この機会に、原作コミックやアニメとはひと味違う「夏目友人帳」の新たな魅力を味わってほしい。
文=中村実香
放送情報
SOUND THEATRE × 夏目友人帳 ~集い 音劇の章~
放送日時:2018年9月16日(日)20:00~
SOUND THEATRE × 夏目友人帳 ~音劇の章 2018~
放送日時:2018年9月23日(日)20:00~
チャンネル:アニマックス
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