人気男性声優・斉藤壮馬。2017年からはアーティスト活動も始め、2020年12月には自身で全曲作詞・作曲をした2枚目のフルアルバム『in bloom』をリリースした。そんな彼の初ライブツアー「斉藤壮馬 Live Tour 2021 "We are in bloom!"」のファイナル公演が2021年5月23日、東京ガーデンシアターにて開催された。
2019年2月に千葉・舞浜アンフィシアターで開催された1st Live「"quantum stranger(s)"」から約2年ぶりのステージということもあり、客席は早くから斉藤が大好きだという緑色のコンサートライトで埋め尽くされ、彼の登場を待ち遠しそうに揺れている。やがて優しいメロディと共に流れるドラマチックなオープニングムービーが終了すると、ステージに純白のシャツに身を包んだ斉藤が姿を現した。デビュー曲でもあり、前回のライブのラストを飾った「フィッシュストーリー」を「皆さん、"We are in bloom!"へようこそ!今日は千秋楽です、思う存分楽しんでいってください!」というあいさつと共に、軽やかに歌い上げた。
続いては『in bloom』の収録曲の中でも、疾走感あふれるギターサウンドが魅力の「シュレディンガー・ガール」で、ロックバンドのヴォーカル然とした情熱的な歌声を披露。その直後には、斉藤が手掛けた等身大の歌詞が楽しい「デート」などが惜しげもなく届けられる。
この日、初のMCで触れたのは、今まで支えてくれたファンやスタッフ陣の尽力によって実現した、今回の福岡・愛知・東京をめぐる初の全国ツアーについて。残念ながら急遽中止となってしまった大阪公演や、行くことのできなかった地域についても「もっともっと音楽をお届けしたいなと思えるようになりました」と、今後の精力的な音楽活動を予感させる発言も飛び出した。
MC後は、日替わり曲として歌う「夜明けはまだ」を皮切りとした、斉藤いわく"しっとりとしたコーナー"へ。最新アルバムから「ペトリコール」「Vampire Weekend」、1st EP収録の「林檎」と、アーティスト・斉藤壮馬の圧倒的な才能が堪能できる、多彩かつドラマチックなナンバーで会場を魅了した。
その後、愛用のギターをかついで登場した斉藤。「memento」「エピローグ」「パレット」を、感情が乗ったギターを奏でながら歌いあげた。斉藤がサポートメンバーと生み出す熱いバンドサウンドに、会場はヒートアップ。そして、この日のライブを締めくくったのは、アルバムの中で8分を越える大作となった「いさな」。センチメンタルなギターサウンドと歌詞が胸を打つナンバーは、ギターをかき鳴らしながら叫ぶ斉藤の感情と呼応するように10分に迫る演奏となった。
鳴り止まない手拍子に応え、再度ステージに登場した斉藤は、タンバリンを手にアップテンポなハッピーチューン「Summerholic!」でアンコールをスタート。繊細なヴォーカルが美しいナンバー「carpool」の後、最後のMCでは「『ここではないどこか』とか『自分ではない誰か』を求めていたあの斉藤少年が『ライブをもっとやりたい』『まだこの時間を終わらせたくない』と思える日が来るとは...。本当に皆さんのおかげです、ありがとうございます!」と、ファンに向けて一礼。最後は切ないラブソング「最後の花火」で、斉藤の初となる全国ツアーの幕は閉じた。
文=中村実香
放送情報
M-ON! LIVE 斉藤壮馬 「斉藤壮馬 Live Tour 2021 “We are in bloom!”」
放送日時:2021年6月30日(水)22:00~
チャンネル:MUSIC ON! TV(エムオン!)
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