小野大輔が語る「宇宙戦艦ヤマト」への思いとは?「気持ちを新たに臨みました」

1979 年に放送されたテレビスペシャル「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」を再構築して、全二章で描く「宇宙戦艦ヤマト」シリーズ最新作『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』。今回、現在劇場上映中の本作の主人公・古代進役の小野大輔と、安田賢司監督にインタビューを行い、作品への思いを聞いた。

――『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』前・後章で、ご一緒したご感想をお聞かせください。

小野「本作の前に『博多豚骨ラーメンズ』と『ソマリと森の神様』の2作品でご一緒させていただきまして。この『ヤマト』で安田監督とご一緒できるというのは、すごく運命的なものを感じました。というのも、僕もそうだったんですけど、安田監督もヤマト直撃世代ではないんですよね」

安田「その後のロボットアニメの世代ですね(笑)」

小野「1つ上の世代の方々が熱狂していた作品で、『ヤマト』への憧れを持って作られた作品を観て、僕たちは育っているんですよね。多分、安田監督の立ち位置は、僕の役者の立ち位置とも同じなんじゃないかなってシンパシーを感じていたんです。なので、『ヤマト』という艦に安田監督が乗ってくれるというのが、すごくうれしかったです」

安田「まさに『博多豚骨ラーメンズ』と『ソマリと森の神様』という、全くスタイルの異なる作品でご一緒したのですが、本作でようやく普通の人間を演じていただくことになって(笑)。これまでご一緒した作品での演技の幅や引き出しも踏まえ、今まで古代を演じてきた小野さんになら、今回描いた『新しい古代』をお願いできると思っていました」

――『宇宙戦艦ヤマト』シリーズでは、さまざまな形の愛が描かれてきましたが、本作における「愛の物語」をどのように感じましたか?

小野「古代進の視点から見ても、デスラーとスターシャの関係性はグッと来ましたね。そして、今回も古代はいろいろ悩むんですよ(笑)。一歩退くという、らしくないところをみせるんですが、そこに土門が正面からぶつかってきてくれる。『ヤマト』はSFなんだけれど、どこまで行っても人間ドラマを描いているんだな、というのを改めて感じました。『ヤマト』で描かれている『愛』について話し出すと、何時間あっても足りないですね(笑)」

安田「作品に参加するまでは、スターシャは神秘的なお姫様、デスラーは冷酷で無口、というイメージを持っていたのですが、福井晴敏さんのシナリオを読ませていただいて、絵コンテを描いていくと、意外とこの2人が一番表情豊かだなって気づいたんですよね。どうしてだろう、と考えると、これまでの関係の中でずっと抑えていた感情がこぼれてしまっているんですよね。彼らの人間らしい愛情が絡まって絡まってという状況を目前にした古代は、本当に大変だっただろうなと思います(笑)」

小野「この作品って『愛』と共に『次世代に繋いでいく』というのも、1つのテーマとして抱えていますよね。若手クルーの活躍を観て、そう思いました。次世代を担う若者たちが自分を追いかけてきてくれている感覚というのが、役者としての自分にも結構重なって。それがすごくグッと来ましたね」

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』に出演する小野大輔
『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』に出演する小野大輔

――今年でリメイクシリーズも記念すべき10周年を迎えますが、振り返っての気持ちを聞かせてください。

小野「当初は偉大な作品を受け継ぐということのプレッシャーに押しつぶされそうでした。この『ヤマト』という作品を背負わなければいけないということを第一に考えていました。でも、背負うだけではなくて、普遍的なものを描いている物語だからこそ、次の世代に渡していかなければならないと気づけたのが『2199』での旅だったと思うんです。そして、自分1人ではなく、みんなで背負って、次の世代に繋げていこうと気持ちを新たにして臨んだのが『2205』ですね。その中には、これまでを支えてくれた大人たちもいれば、これからを担う若い世代もいる訳で。それはキャスト、スタッフからも感じていました。作品に関わっているすべての皆さんがヤマトのクルーなんだな、と実感しています。なかでも若いメンバーが頑張ってくれているのが心強いなって思っています」

――『ヤマトよ永遠に REBEL3199』の制作も決定しましたね。

小野「『2205』のエンドロール後のシーンで、『また旅に出るんだ』と戦々恐々としていますけどね(笑)。でも、いつも『ヤマト』が完成する度に満ち足りた気分になるんですよね。中でも、今回は今まで以上に『ヤマト』で描くべきものを描ききれたんじゃないかな、という充足感と多幸感、そして一抹の切なさを同時に感じていますけど、また新たな旅が描かれるということで、1ファンとして楽しみです」

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』より
『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』より

©西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2205製作委員会

取材・文=中村実香 撮影=永田正雄

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放送情報

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち
放送日時:2022年2月15日(火)1:30~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち後章 -STASHA-』
2022年2月4日(金)より上映

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