愛美のワンマンライブ「愛美 ONEMAN LIVE "AI Mean It!!"」が2021年12月26日、Zepp DiverCityにて開催された。昨年4月発売のシングル「ReSTARTING!!」でソロアーティストとしての活動を再開させた愛美にとって、この日の公演は実に6年10ヶ月ぶりの単独ライブ。かつ、公演前日に30歳の誕生日を迎えた節目のタイミングとあり、ソロアーティストとしての彼女のキャリアを総括しつつ新たな1歩を踏み出す姿を捉えたステージが繰り広げられた。また、このライブは2022年1月15日から23日にかけて、PIA LIVE STREAMを通じてネット配信も実施され、多くのファンがその晴れ舞台を目撃することとなった。本稿では昼・夜2公演のうち、ライブ配信も行われた昼公演の模様をお伝えする。
バンドメンバーが奏でるインストゥルメンタルナンバーに乗せて、ギターを抱えてステージに登場した愛美は客席に向けて立ち上がるように促し、「『AI Mean It!!』、楽しんでいきましょう!」と「ReSTARTING!!」から勢いよくライブをスタートさせる。白いパーカーに紫のスカート姿の愛美は、白いレスポールを奏でながら伸びやかな歌声を響かせていく。そのまま間髪入れず2012年の楽曲「Link」に突入すると、彼女はギターをかき鳴らしつつ情熱的なボーカルで楽曲の世界観を表現。リリース当時の初々しさとは異なる、今の愛美が歌うからこその力強さが加わったことで、まるで新曲のように響いたのではないだろうか。また、間奏ではハンドクラップを求めるアクションを見せ、客席との一体感を高めつつ、バンドメンバーともアイコンタクトを取りながら演奏に加わるその姿からは、彼女がこの日のステージを心の底から楽しんでいる様子が伝わってきた。

MCでは、2021年春から再始動したアーティスト活動を振り返りつつ、「(ファンが)ずっと愛美の歌を聴きたいと言い続けてきてくれたからこそ叶った再スタートとなっております。皆さんいつもありがとうございます。みんなで一緒にいろんな夢を叶えていきましょう!」と挨拶。続いて、自身が「闇ポエムの真骨頂」と例える「MAYDAY」でライブを再開。ギターを置いて歌に専念する彼女は、ステージングでも歌詞の世界観をしっかり表現していく。続くダンサブルなリズムを持つ「アナグラハイウェイ」でも、そのエモーショナルなボーカルでライブをぐいぐい牽引し続けた。

2曲終えたあとのMCでは、自身のアーティストカラーについて触れる一幕も。これまで赤や青をイメージカラーに用いてきたが、「クールな青と情熱的な赤、合わさると紫になる。愛美らしいんじゃないかなと思い、今後のアーティストカラーは紫でいこうと思います」と宣言。その瞬間、客席のペンライトが紫色に変わり、会場は早くも新たな愛美色に染め上げられた。そして「作詞がすごく楽しくて。大変なところもあるんですけど、今後もどんどんやっていこうと思います」と告げてから、自身が作詞を手がけたラブソング「ラブレター」を、アコギを弾きながら歌唱。攻めのモードで進行してきたこれまでの流れを、切なさの伝わる歌詞とボーカルで一変させる。

続く「いやよいやよもすきのうち」では、事前に公開した動画に沿った振り付けも飛び出し、オーディエンスとの一体感も急上昇。キュートな歌声で表現されたこの曲で、会場は優しい空気に包まれていく。さらに、エレクトロ色の強い「Twinkle Starry Night」ではキレのよい愛美のダンスにミラーボールの煌びやかさも加わり、バンドセットでのパフォーマンスとは異なる魅力を見つけることができた。

続くブロックでは声優デビュー、そしてアーティストデビューから10年以上経ったことを振り返り、「かなり濃密だったけど、いろんな経験をさせていただいた約10年間。そんなデビュー時の、デビュー曲を今日は歌わせていただこうかなと思っております。アニソン歌手を目指して上京して、歌を歌わせていただいたんですけど、いつでも初心に帰るのは大事なことですから、デビュー当時の気持ちを思い出して歌いたいと思います」と2011年発表のアーティストデビュー曲「天使のCLOVER」を披露。10代だった愛美が歌う「天使のCLOVER」とは異なる、大人になった彼女だからこその思い、メッセージが伝わる1曲へと進化していることが感じられたはずだ。そんな原点の1曲に続くのは、テレビアニメ「現実主義勇者の王国再建記」第二部エンディングテーマとして制作された最新デジタルシングル「LIGHTS」。歌い手としての深みが見事な形で表されたこの曲は、前曲「天使のCLOVER」とともに今回のライブのハイライトであると同時に、シンガー/表現者としてこの約10年、どのような経験を積み重ねてきたかがこの2曲からもはっきりと確認することができたことだろう。
ライブもいよいよ終盤戦へ突入。再び白いレスポールを抱えた愛美は、自身が演じるキャラクターのコンテンツで日本武道館に立っていることに触れ、「いつかソロでも武道館に、ギターを持って立ちたいなと思っていて。贅沢な夢なんですけど、そんな日が来ることを願ってギターを弾き続けていきたいですし、歌を歌っていきたい」と宣言し、初期の楽曲「LIVE for LIFE 〜狼たちの夜〜」を、ギターを弾きながら披露。また、「瞬間SummerDay!」では観客のハンドクラップとともに、軽やかな歌と演奏で独特のグルーヴを作り上げ、最後の「カザニア」では愛美が自信に満ち溢れたボーカルで観る者の心を掌握して、最高のフィナーレを迎えた。

アンコールではDECO*27提供による新曲「ドレス」をサプライズ披露。疾走感の強いアグレッシヴな演奏にあわせて、愛美は荒々しくもエモーショナルなボーカルでこの曲を見事に歌い上げる。今後のライブにおけるキラーチューンになること必至のこの曲は、盛大な拍手とともにオーディエンスから好意的に受け入れられた。
さまざまな告知を経て、正真正銘のラストナンバーへ......と思いきや、突如バンドメンバーが「Happy Birthday To You」をプレゼント。このサプライズを受けて、愛美は「誕生日付近にライブがあると、ライブのことで気持ちがいっぱいいっぱいで、気が気じゃないんです(笑)。(誕生日当日の)昨日も、今日の(ライブの)ことしか考えられなくて。昨日は家族と一緒にごはんを食べて、お祝いしてくれたんですけど、そんな中でも今日のライブのことで頭が侵食されていて。誕生日前にやっておけばよかったんじゃないかと思いました」と本音を吐露。続けて、「こんな時代ですから、有観客でできたことも本当によかったなと思います。皆さん、直接会いに来てくれてありがとうございました!」と感謝を伝え、最後はリスタートの1曲「ReSTARTING!!」を再び歌唱し、多幸感に満ちた空気の中6年10ヶ月ぶりのワンマンライブを大成功のうちに終了させた。
また、同ライブは2月にTBSチャンネル1で放送される。アンコール含め全曲ノーカットで独占インタビューを追加した特別版でお届けされ、愛美のさらなる魅力を感じることができる。
文=西廣智一
<セットリスト>
M1 ReSTARTING!!
M2 Link
M3 MAYDAY
M4 アナグラハイウェイ
M5 ラブレター
M6 いやよいやよもすきのうち
M7 Twinkle Starry Night
M8 天使のCLOVER
M9 LIGHTS
M10 LIVE for LIFE 〜狼たちの夜〜
M11 瞬間SummerDay!
M12 カザニア
EN1 ドレス
EN2 ReSTARTING!!









