さだまさし梶芽衣子 「鬼平」の魅力を語る 「人間愛ってそういうもんだよな」

さだまさしがMCを務める「さだまさし時代劇スペシャル!」が毎年、時代劇専門チャンネルにて放送中。同番組では、さだまさしが毎回テーマを掲げ、思う存分時代劇について語っている。

第7段となる今年9月1日(日)のゲストには「鬼平犯科帳」に出演する梶芽衣子が登場。「鬼平犯科帳」の大ファンだというさだまさしとともに「鬼平犯科帳」ゆかりの地を巡りながら、ドラマの裏話や時代劇について語り合った。

収録後、さだまさしと梶芽衣子を直撃。番組の感想や見どころについて聞いた。

――本日の収録を終えられての感想を教えてください。

さだまさし(以下、さだ)「僕は梶さんの大ファンなので、今日はお目にかかるのを本当に楽しみにしていました。明るくて楽しい方だったので、ほっとしています。梶さんって本当にお若いですよね」

梶芽衣子(以下、梶)「いえ、そんなことは。42歳で『鬼平』を始めて、28年が経ちました。それ言っただけで歳がばれちゃいますが(笑)。年齢のことはあまり考えないようにしているんですね。これからは、どういうふうに歳を重ねながら仕事を続けていくかを考えていきたいと思ってるんです」

さだ「すごいドラマですよね。『鬼平犯科帳』っていうのは。池波正太郎先生のような書き手ももういないですからね」

「池波先生は、ドラマ化にあたって原作にないものはやってくれるなと仰っていたそうです」

さだ「今は侍言葉を書ける書き手がいないですから。ドラマの『鬼平』もいつの頃からかお歯黒をしなくなった。それでも、『鬼平』からは変わらず美学みたいなものが感じられるので、繰り返し見られるんです」

「映像のライティングがすごく良くて。光と影というか、奥行きみたいなものが良かった。『鬼平』って、28年間、1台のカメラで、映画の手法で撮ってたんですよ。だからあのライティングができる」

時代劇への熱い思いを語ったさだまさし

(C)時代劇専門チャンネル

――これから、「鬼平犯科帳」を見られる方にメッセージをお願いします。

さだ「まず、ドラマから入ってもらって、原作の小説を読んでもらって、『剣客商売』や『仕掛人・藤枝梅安』シリーズもそうですけど、池波先生のさまざまな世界に触れるのがいいかなと。そうやって池波正太郎の世界を理解してから、もう一度見るとまた別の角度で楽しめるんですよね」

「今の世の中に足りないものは『情』だと思うんです。『鬼平』は、若い方が見ても、お年寄りが見ても、『情』を感じられると思います。人間っていうのはこんなにダメなんだけど、鬼平さんが裁くと、こういう風に良い方向に進むんだと。つまり、この世の中に生まれてきた意味のない人は1人もいないんだって、私は池波先生の本を最初に拝見したときに、すごく感じましたね」

さだ「悪人も善人も救ってくれるんですよね」

「そうなんです。みんな、ほっとできるんです」

さだ「自分にも腹黒いところがあるじゃない。自分の腹黒さを憎みながら生きているんだけど、みんなそうなんだよって池波さんが言ってくれる感じがいいですね。で、どんな善人でも腹黒いところがあり、悪いやつでもいいところがあるんだよって言われると、人間愛ってそういうもんだよなと思いますよね。救われる感じがする。それが『鬼平』の魅力なんですかねぇ」

「平蔵さんの決断力や、潔さを、みんなに見てもらいたいと思います。政治家も会社の上司も学校の先生も。平蔵さんを見て、見習ってもらいたい」

さだ「そうですね。権力のある人が間違った力の使い方をすることもあるじゃないですか。でも、『鬼平』を見ているとそういう出来事も腑に落ちてくるんですよね。『怒り』と『情』が『鬼平』の魅力ですね」

文=HOMINIS編集部

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放送情報

さだまさし時代劇スペシャル!「鬼平犯科帳」編
放送日時:2019年9月1日(日)12:00~
チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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