磯村勇斗が「社会への葛藤」を巧みに表現!倍賞千恵子の名演も心を打つ「PLAN 75」が抱える強烈なテーマ性

「PLAN 75」
「PLAN 75」

(C)2022「PLAN75」製作委員会 / Urban Factory / Fusee

夫を亡くし、一人で慎ましく暮らす78歳の女性・ミチは、ある日、年齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を解雇されてしまう。住む場所も失いそうな彼女は生きる希望を亡くし、<プラン75>の申請を検討し始める。一方、市役所の<プラン75>の申請窓口で働くヒロム(磯村勇斗)をはじめ、制度をサポートする職に就く若者たちもまた、多くの高齢者と向き合う日々を送り、制度に対して複雑な感情を抱いていく...。

主人公・ミチを演じているのが、本作が9年ぶりの主演作となる倍賞千恵子。「最初は酷い話だと思って脚本を読み始めた」という彼女は、本編のあるシーンに強く惹かれ、出演を即決したと明かしている。セリフで多くを語るのではなく、日常の中のさりげない仕草で、ミチが抱える絶望など、複雑な感情を繊細に表現。重厚な作品のテーマに寄り添った深みのある姿を見せている。

そして、<プラン75>の申請にあたる市役所職員・ヒロムを演じたのが磯村勇斗。申請に訪れた高齢者に対し、人当たりのいい表情や口調で業務を担いながらも、ふとした瞬間に暗い影を落とす顔つきなど、徐々に制度に対し疑問を抱いていく複雑な胸中を体現。「倍賞さんとの共演シーンでは目で芝居をすることを意識しました」とコメントしているが、国民的な大女優と対峙しながら、丁寧な演技で社会の闇を浮かび上がらせた。

「PLAN 75」
「PLAN 75」

(C)2022「PLAN75」製作委員会 / Urban Factory / Fusee

また、死を選んだ高齢者に最後まで付き添うサポート施設コールセンタースタッフの瑶子役には、海外評価の高い「ある男」(2022年)など、映画出演が続く若手の河合優実が抜擢。電話越しで高齢者とやりとりしながら、心が揺らいでいく様を、口調の揺れなど声の演技で見事に表現してみせた。

社会の潜む闇やその先にある一筋の希望を表す光と影――人の心を打つ美しい映像を生み出し、真摯な映画作りによって、"安楽死"という覚悟を問われるデリケートなテーマと正面から向き合っている「PLAN 75」。世界が称賛したその世界観をぜひ見届けたい。

文=HOMINIS編集部

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放送情報

PLAN 75
放送日時:2023年3月12日(日)21:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
放送日時:2023年3月13日(月)17:45~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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