「三拍子揃った実力派トップスター」礼真琴がコンプレックスだらけの主人公を演じた「めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人-」('22年星組・東京・千秋楽)

舞空瞳
舞空瞳

©宝塚歌劇団  ©宝塚クリエイティブアーツ

このルーチェとアンジェリークの成長物語に、2つのサブストーリーが並行して走る。その1つが、宰相オンブル(綺城ひか理)の密かな野望にまつわる物語だ。
 
王女の花婿選びに息子のロナン(極美慎)を送り込むオンブル。だが、ロナンは大司教の娘ジュディス(小桜ほのか)と密かに愛し合っていた。果たしてルーチェはロナンに勝てるのか? ロナンとジュディスの恋の行く末は?そして、宰相オンブルは真の悪人なのか...? 

そして2つめのサブストーリーが、ルーチェの大学時代の同級生の「脱モラトリアム」物語である。レグルス(瀬央ゆりあ)の探偵事務所は閑古鳥が鳴いている。そこに居候する女優の卵ティア(有沙瞳)はオーディションに落ちまくり、駆け出し劇作家のセシル(天華えま)は締切りがちっとも守れない。アニス(水乃ゆり)は天才的な発明少女だが、親には全然理解してもらえない。
 
そこにルーチェを加えた5人は、いずれも世の中にうまく適応できずにいる若者たちだ。だが、そんな彼らが、ルーチェの危機を救うために一役買うことで、成長していく。

シリーズ1、2にゆかりのキャラクターも多数登場する。中でも、本公演で退団した天寿光希がオルゴン家の執事ユリウスとして、音波みのりがルーチェの兄嫁となっているレオニードとして、それぞれ登場するのも見どころだ。

「the end」ではなく「to be continued」な終わり方も心憎い。果たして「シリーズ4」は実現するのだろうか?そんなことにも思いを巡らしながら、観劇を楽しみたい。

文=中本千晶

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放送情報

「めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人-」('22年星組・東京・千秋楽)

放送日時:7月2日(日)21:00~ほか
放送チャンネル:TAKARAZUKA SKY STAGE
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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