名だたる刀剣が戦士の姿になった"刀剣男士"を収集・育成・強化し、歴史改変を目論む歴史修正主義者から歴史を守る人気ゲームを原案とした舞台『刀剣乱舞』。2016年に初めて舞台化され、現在も続く人気シリーズ初演の再演作「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺~再演~」がTV初放送される。
注目すべきは「再演」と銘打ちながらも、実は初演とは大きく異なる点があることだ。それは「左右反転」という演出。つづられる物語はそのままに、役者の動きを左右入れ替えて上演。さらにセリフも少しだけ異なっている。その真意を想像する楽しさもあり、単純な初演再演でなく、初演と再演を合わせて1つの作品ともとることができる。
本作で座長を努め、物語の要となる三日月宗近(みかづきむねちか)を演じているのは鈴木拡樹。美容師から俳優へと転身し、2008年にドラマ「風魔の小次郎」でデビュー。その後、舞台を中心に活躍し、「最遊記歌劇伝」シリーズで初主演を果たした。舞台『弱虫ペダル』をはじめ、2.5次元と称される漫画、アニメ、ゲーム原作の舞台に数多く出演。現在、そのブームをけん引する1人として人気を博している。その表現力、殺陣(たて)などの実力も認められ、 2.5次元のみならず劇団☆新感線「髑髏(どくろ)城の七人 Season月」"下弦の月"で主人公の宿敵・天魔王にも抜てきされた。
その鈴木が演じる、三日月宗近は平安時代に作られ天下五剣の一振りにして最も美しいという太刀が顕現した刀剣男士。きらびやかな装束を身にまとい、物腰は柔らかく、おっとりと構え、他の刀などに比べると作られた時代が早いため自らを「じじい」と紹介する。しかし、ひとたび出陣すれば向かうところ敵なしの強さで、刀としての鋭さ、激しさを見せ、その落差がたまらない。物語はこの三日月宗近がいる本丸に、新しい刀剣男士が顕現したことから始まる。
その名も不動行光(ふどうゆきみつ)。戦国武将・織田信長から、彼に仕えた森蘭丸へと授けられた一振りだ。信長の愛刀だったことを誇りとする不動は、同じ信長を主としながらも複雑な思いを抱く宗三左文字(そうざさもんじ)、へし切長谷部(へしきりはせべ)、薬研藤四郎(やげんとうしろう)たちとぶつかる。そんなある日、新たな出陣の命が下る。それは、天正十年、明智光秀の裏切りにより信長が討たれた「本能寺の変」の歴史改変の阻止。かつての主が"歴史通りに死ぬ"ことを見届けなければならず、彼らは様々な想いを寄せる。
史実と絡めて描かれる刀剣男士の葛藤はもとより、見事に再現された姿形、激しく美しい殺陣も見どころ。それらは太刀、打刀、脇差、短刀といった刀種により演じ分けられ、己の刀派・刀種・名を朗々と語り、抜刀する「出陣の儀」は圧巻。生身の人間が演じる舞台だからこそ描ける「刀剣乱舞」の世界がここにある。
文=おーちようこ
放送情報
舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺~再演~
放送日時:2018年5月27日(日)20:30~
舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺
放送日時:2018年5月26日(土)20:30~
舞台『刀剣乱舞』密着スペシャル(前篇)(後篇)
放送日時:2018年5月26日(土)22:50~
チャンネル:日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ
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