吉沢亮と橋本環奈らの掛け合いが小気味いい！「聖☆お兄さん」でもお馴染み中村光原作の映画「ブラックナイトパレード」

愛らしく周りを思いやる気持ちに溢れる素敵な同僚という顔を持つ一方で、天才ハッカーであり、サンタクロースハウスの業務では犯罪まがいの方法で情報を収集する志乃は、橋本がくるくると表情を変えながらテンポよく演じる。何を見られても動じない志乃と、その狂気的な一面を目の当たりにし、たじろぎながらも完全にペースに持ってかれてしまう三春との掛け合いが小気味いい。

また、中川は超ハイテンション金髪男・田中皇帝を演じるのだが、この存在が非常に厄介で常に三春を悩ませる。渡邊は寡黙で頼れるみんなのお兄ちゃん的な料理長・古平鉄平役。志乃や皇帝、その他様々な状況に翻弄される役を吉沢演じる三春が一手に引き受ける。

■前半は世界観に引き込まれ，後半は急展開のストーリーに圧倒される

受験にも就活にも失敗し、大いに不満を抱えながら仕方なく続けているコンビニのバイトでは年下に良いように扱われる三春。端正な顔立ちで他作品ではイケメン俳優としての役どころも多い吉沢が、本作では見事に冴えない男を演じ切っている。サンタクロースハウスに連れてこられてからも、数々の突拍子もない出来事に対してなし崩し的に巻き込まれるような形で場面が進む。

しかし後半から事態は急展開する。三春はなぜ突然サンタクロースハウスに連れてこられたのか？前職場のコンビニとの関係は？幼い頃に失くした父の本当の姿とは？サンタクロースハウスで次々と明かされていく謎の中で、三春が命を狙われながらも自分の意志を強く抱き自ら行動を起こしていく様は怒涛の展開であり、ラストで最後の謎に迫るため決意を固める吉沢の表情にも注目したい。

文＝おはぎ

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