2026年1月から3月にフジテレビ系地上波で放送されていたドラマ「ヤンドク!」が帰ってくる。5月11日(月)から、フジテレビTWOにて早くも全話放送が決定したのだ。
レディースとして荒れた毎日を過ごしていたが、親友の事故死をきっかけに特攻服を脱ぎ、脳神経外科医となった主人公・田上湖音波(たがみことは)。彼女は感情が高ぶると、どんな相手だろうと「たわけ!」と一喝する特異なキャラクターだ。
舞台は、患者の事情よりも利益優先の経営陣が牛耳る「都立お台場湾岸医療センター」。ルールや効率を押し付ける組織に対し、湖音波は持ち前の「ヤンキー魂」で真っ向から食ってかかる。既存のマニュアルを無視してでも患者一人ひとりと対話し、最適な治療法を模索するのが彼女のやり方だ。
そんな湖音波を岐阜から呼び寄せたのは、彼女の命を救った医師・中田啓介(向井理)である。だが、情熱を持って湖音波と接していた"あの頃"の中田はもうおらず、合理的な上層部の言いなりになってばかり。人が変わってしまった恩人に、湖音波は違和感を覚えて...。
この作品で特筆すべきは、橋本環奈という俳優が秘めていた「底知れなさ」である。
あるときは正統派ラブストーリーのヒロインを担い、あるときはキレのあるアクションを華麗にこなす橋本。そこに唯一無二のコメディセンスまで加わるのだから、ヒット作に欠かせない存在となるのも必然だろう。ただ、彼女の真のすごさは、すべてを出し切ったと思わせた瞬間に、また未知の顔を突きつけてくる点にある。月9初主演作「ヤンドク!」で見せた姿は、まさにその好例だ。
「元ヤンの脳神経外科医」というインパクトあるキャラクターを鮮やかに体現し、演技の幅広さをあらためて証明。重苦しくなりがちな医療ドラマにおいて、視聴者がどんよりした気持ちにならずに済むのは、彼女が放つポジティブなオーラが作品の屋台骨となっているからに違いない。橋本環奈の太陽のような輝きが、観る人の心を照らすのだ。
ここでもまた新たな顔を見せてくれた...。私たちは、彼女の「俳優としてのすべて」をまだ見てはいないのだ、とあらためて思い知らされる。
橋本を支える共演陣も、実に豪華な顔ぶれがそろう。向井理をはじめ、宮世琉弥、音尾琢真、馬場徹、薄幸(納言)、内田理央、大谷亮平、大塚寧々、吉田鋼太郎と盤石の布陣である。
なかでも注目なのは、上海から来た研修医ソン・リーハンを演じる許豊凡(INI)である。「僕達はまだその星の校則を知らない」(フジテレビ系)、「火星の女王」(NHK総合ほか)といった話題作への出演が続く彼だが、本作では院内のムードメーカーとして新たな魅力を放っている。
許が演じるソンは快活で、脳神経外科チームとの絶妙なコンビネーションで笑いを誘う"物語のアクセント"を担うキャラクターだ。画面に映るだけでパッと花が開いたような明るさをもたらすその姿は、観るものを癒やし、ステージで見せるパフォーマンスとはまた違ったドキドキを届けてくれる――。
このほかにも、脳神経外科チームの息の合ったやりとりや、斬新さを感じるアニメーションを使った手術シーンなど、見どころが尽きない。
橋本環奈を中心に豪華俳優陣が共鳴し合う「ヤンドク!」は、噛めば噛むほど深みが増す一作である。
文=浜瀬将樹











