当時9歳の三浦春馬が抜群の存在感を放つ!子役時代の演技に魅了される映画「Nile -ナイル-」

劇中で確かな存在感を放つ、子役時代の三浦春馬
劇中で確かな存在感を放つ、子役時代の三浦春馬

(C)東映・東映ビデオ

また、場面が現在に戻り、空港で見城を待つシーンでは、退屈そうに顔をしかめて手すりにまたがっていたりもする。子供にありがちな、じっとしていられない様子がよく現れている。

先に触れた映画「森の学校」の監督・西垣吉春は、子役時代の三浦について「こちらが言ったことを2倍、3倍に深く理解して、演技で答えてくれる役者でした」と語っている。本作「Nile -ナイル-」でも、セリフがなくとも表情や動作で気持ちが伝わってくるのは、やはり三浦が卓越した演技力を持っていたからだろう。

物語が進むと、西山の世界的な発見を横取りしようと企む国際シンジケートが動き始める。西山は殺され、海は拉致されエジプトに連れて行かれる。そうなってからの三浦の演技も秀逸だ。

エジプトでシンジケートのアジトに連れて行かれた海は、同じく捕まっていた現地の少年と出会う。少年は怯える海に優しく接し、食べ物を分け与える。その時の海は、ちょっと驚いた感じがありながらも、少年に対して心が開けたような空気が出ている。また見城と再会を果たした時に、海の「ジョー!」という叫びと、見城の「よーっし!」という声が錯綜する場面も、2人の強い想いや、固い絆が感じられる熱いシーンとなっている。

最大の見せ場は、海が恵子とともに日本に帰国するシーンだ。このシーンでは胸が熱くなると同時に、この物語の中にはもうひとつの物語、言うなれば、西山海の物語があったのだと思わされるほど、海が強い存在感を放っている。それもまた、三浦の演技の力と言えるだろう。

海たちが帰国した後も、見城とシンジケートとの戦いは続く。主演の渡瀬恒彦、またジャーナリスト関係者として登場する哀川翔や津川雅彦らの演技ももちろんだが、当時まだ9歳だった三浦春馬の才能が実感できる作品として、ぜひ本作を見てほしい。見ればきっと、その演技力に魅了されることだろう。

文=堀慎二郎

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放送情報【スカパー!】

Nile -ナイル-
放送日時:2024年7月8日(月)20:00~、2024年7月15日(月)13:00~
チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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