杉咲花が体現する壮絶な人生！「アンメット」でも話題を呼んだ若葉竜也との共演作「市子」

一方、若葉が演じる長谷川は、市子を「知りたい、助けたい」という衝動に突き動かされ、彼女の足跡を辿っていく。静かな佇まいでありながらも、長谷川のまっすぐな眼差しにはしっかりと市子への愛情がにじんでいる。長谷川がそれを爆発させる瞬間には、「彼はこんなに一途に市子のことを思っていたのか」と胸が震えるような思いがするほど。若葉が、長谷川の繊細かつ複雑な心の揺れを見事に表現している。

杉咲と若葉の息がぴったりと合っているからこそ、市子と長谷川の過ごした日々に"人と一緒にいることの幸せ"を感じられる。作品からも透けて見える杉咲と若葉の信頼関係が、本作には欠かせないものなのだ。ゴールデンコンビともいうべき彼らの名演をたっぷりと堪能しつつ、市子の人生に強烈に思いを馳せてもらいたい。

文＝成田おり枝

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