ロケは長野県に実在する山荘や病院、そして唐松岳や石神井ケルン、美ヶ原高原などの登山スポットで行われ、実際の山での撮影は、本当に過酷だったという。5時間かけて山を登り、撮影時間はわずか10分ということもあったそうだ。また山は標高が100m上がるごとに、気温が0.6℃下がると言われている。さらに暗くなると危険度が増すため、常に時間との戦いだったはず。そのため、たとえ安全なシーンでも細心の注意を払って行われ、通常の本番とは異なる緊迫感も伴ったと思われる。その影響か、演じる杉野の表情が回を増すごとにより一層凛々しくなっていく。
第1話で登場した歩は山岳医になるつもりなどさらさらなく、院長の松澤周子(檀れい)に言われるまま、ヘリに乗って現場へと向かう。まだ何の覚悟もなく、表情も若々しい。しかし、実際の遭難現場を目の当たりにし、国際山岳医の資格を持つ江森と接したことで、山岳医療の重要性を理解した歩は自身も国際山岳医の資格を取るべく、休職を決意。そして、第1話ラスト――、1年後に帰国した歩の表情はたくましく様変わりしている。山岳医療チームの循環器内科医の掛川康二(近藤公園)が「1年でこうも変わるのは」とこぼすが、浅黒く登山焼けした歩の顔は冒頭とはまるで別人になっている。
■演じる歩と共に成長した杉野遥亮が、かつてない男前っぷりを披露
第2話の時点での歩は、江森曰く、「まだ山好きの医者」に過ぎないが、厳しい環境下で時には小さな失敗もしながら多くの人を救い、本物の"山岳医"になっていくのだ。撮影期間はわずか4カ月だったそうだが、全11話の中で駆け出しの青年が医師となり、国際山岳医の資格を取って成長し、さまざまな経験を積むことで精悍な男性へと変貌を遂げていく。
杉野は、ドラマ「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」での心優しいワイルドヤンキーや、映画「L♡DK ひとつ屋根の下、『スキ』がふたつ。」での学校1のモテ男、「ばらかもん」での才能あふれる書道家など多くのイケメンを演じてきたが、その中でも歩は頼り甲斐のある、男前度ナンバー1の人物と言えるだろう。最終話で「お前はもう山の医者だ」と江森から太鼓判を押されるシーンでの表情は、間違いなくクランクイン時より一皮剥けているので、しっかりと確認してほしい。
文=及川静
放送情報【スカパー!】
マウンテンドクター(全11話)
放送日時:12月14日(土)13:15~
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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