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実は本作当時、高倉は俳優人生の曲がり角に立っていた。東映のドル箱だった任侠映画のブームは去り、高倉主演の人気シリーズも軒並み終了。俳優として新たな道を模索していた高倉にとって、不景気で人生を棒に振った町工場の元社長・沖田という市井の男の役は、新境地とも言えた。それまで「網走番外地」(1965年)などで生きのいい役も演じてきた高倉は、本作で新たに"寡黙さ"という武器を身に着ける。そしてまもなくホームグラウンドだった東映を去ると、「八甲田山」(1977年)、「幸福の黄色いハンカチ」(1977年)、「南極物語」(1983年)などを通じて"寡黙な健さん"のイメージを定着させ、国民的俳優への階段を上っていくこととなる。そう考えると「新幹線大爆破」は、我々が知る"寡黙な健さん"の原点と言っていいかもしれない。
Netflixのリブート版「新幹線大爆破」で主演を務める草彅剛は、「前作の主演の高倉健さんの気持ちを受け継ぎ、全力で挑みます」と語っている。皆さんも、リブート版に挑む前に、本作で高倉健の思いをぜひ受け止めてほしい。
文=井上健一
放送情報【スカパー!】
新幹線大爆破 4Kリマスター版
放送日時: 4月4日(金)20:00~
チャンネル: 東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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