前田敦子が演じる愛くるしいヒロインにキュンキュン必至!どんでん返しのミステリー「イニシエーション・ラブ」

俳優

(C)2015 乾くるみ/「イニシエーション・ラブ」製作委員会

1980年代を通過した人には懐かしく、リアル世代でない人にとっては驚きも新鮮さもあるのが本作の魅力。カーステレオと自作のカセットテープが映し出される冒頭のシーンから、物語は始まっていく。静岡で歯科助手をしているマユは、キラキラの笑顔はもちろん、相手をちょっと下から見上げる視線や首をかしげる仕草、鼻にかかった甘い声で男の人の頭の中をお花畑にしてしまう。"相手にこうしてほしい"と思うこともストレートには言わず、さりげなく匂わせて、男性を「もっと頑張らないと!」という気持ちにさせてしまう小悪魔っぷり。夏の海での水着姿や、半年前から予約でいっぱいのクリスマスイブのホテルのイルミネーションなど、バブル期らしいシチュエーションも盛りだくさん。当然、前田が生まれていない時代なのだが、「いる、いる!こういう女の子」と思わせるぐらい自然に物語の中に存在している。

■太田裕美の大ヒット曲で始まる"Side-B"のストーリー

鈴木が東京の会社に勤めることになり、離れることが心配なマユは「都会の絵の具に染まらないで帰ってね」と声をかける。これは太田裕美の「木綿のハンカチーフ」の歌詞から引用したセリフ。当初は東京と静岡の距離なんて関係ないと車で往復していた鈴木だったが、次第に仕事と恋愛の両立に疲れていき、そんな様子を心配する大人っぽく美人なタイプの美弥子に心惹かれていく。遠距離恋愛の中、渋滞する車に流れる音楽がサザンオールスターズの「夏をあきらめて」だったり、彩る曲も携帯電話すらないことも切ないストーリーの演出。

そして、待っているのは当時の映画のキャッチコピー「最後の5分、全てが覆る。あなたは必ず、2回観る。」に納得のエンディング。眩しい笑顔から泣き顔へと変化していく前田の演技と共に、このミステリーを楽しんでほしい。

文=山本弘子

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放送情報【スカパー!】

イニシエーション・ラブ
放送日時:2025年5月3日(土)9:45~、5月31日(土)3:20~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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