橋本環奈の振り切れた演技と原作への誠実さが実写化を成功に導く鍵に!コメディエンヌの才能を裏付けた「斉木楠雄のΨ難」

俳優

山崎賢人演じる超能力を持つ高校生と、彼を取り巻く個性的なクラスメイトが魅力の「斉木楠雄のΨ難」
山崎賢人演じる超能力を持つ高校生と、彼を取り巻く個性的なクラスメイトが魅力の「斉木楠雄のΨ難」

(c)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会

「銀魂」でコメディエンヌとしての才能を開花させた橋本だったが、その才能が確かなものだと完全に裏付けたのが、その後間もなく公開された「斉木楠雄のΨ難」だ。

生まれながらに超能力を持つ高校生・斉木楠雄(山崎賢人※「崎」は正しくは「立さき」)は、「普通に生きたい」という切実な願いを常に抱いている。平凡に目立たないようにと努力する斉木だが、周囲にはワケありのクラスメイトたちばかりで、何かと絡まれる日々。その矢先、毎年恒例の一大イベント・文化祭がやってくる。その日を無事にやり過ごしたいだけの斉木だが、災難がふりかかりまくり、あわや地球滅亡の危機に...。

本作で橋本が演じるのは、すれ違う人すべてが振り返り、思わず「おっふ...」と口にしてしまうほどの美貌を持つ"完璧美少女"・照橋心美。橋本は圧倒的な透明感を携えた美貌で、この"完璧美少女"という役柄にいとも簡単に説得力を与えた。

しかし、この照橋というキャラクターは、ただの美少女では収まらない。彼女は表に出す謙虚さとは裏腹に、心の中では自身が完璧美少女であることを、これでもかというほどに自覚している。そんな裏表の激しい照橋の二面性を、橋本が見事に表現。クラスメイトや学園の男子たちに囲まれて微笑む笑顔の可憐さと、その姿に当てられたなんとも腹黒い心の声のギャップが可笑しく、物語のギャグ要素をぐっと高めている。

主人公の斉木は超能力によって照橋の心が見えるため、彼女の本性を知っており、周囲のクラスメイトのように照橋になびくことはない。照橋はそんな斉木のことを追いかけ回し、なんとか斉木にも他の男子たちと同じように「おっふ」と言わせようと、あの手この手で奮闘する。そんな必死な照橋の姿を、コメディ感満載のオーバーなリアクションと顔芸を駆使して体現した橋本。このさすがの振り切り具合には、原作ファンも納得だろう。

腹黒な完璧美少女という設定にギャグ要素が乗っかるという、なんとも個性の強いキャラクターを演じきった橋本。彼女の演技はいつも原作の再現性が高く、どんな演出も取り入れる思い切りの良さには、原作やそれを愛するファンへの誠実さを感じられる。キャラクターの必要不可欠な要素をしっかりと取り入れながらも、その中で橋本自身の演技の色を出す。そのバランス感覚が絶妙だ。そんな橋本の真摯さと感性は、実写化作品を成功に導く鍵の1つになっている。

文=HOMINIS編集部

この記事の全ての画像を見る
  1. 1
  2. 2
  1. 1
  2. 2

放送情報【スカパー!】

斉木楠雄のΨ難
放送日時:2025年5月5日(月)23:10~、5月12日(月)21:00~ほか
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくは
こちら

Person

関連人物