板垣李光人、中村倫也の"声優"としての佇まいに「羨望のまなざしを送っていました」映画『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』インタビュー
俳優
映画「ペリリュー ー楽園のゲルニカー」が、12月5日(金)に全国公開される。
武田一義の人気マンガをアニメーション映画化した本作。舞台は太平洋戦争末期のペリリュー島。マンガ家志望の兵士・田丸均(CV:板垣李光人)は、亡くなった仲間の最期の勇姿を遺族に向けて書き記す「功績係」に任命される。だが、田丸はなかなか仲間の死を受け入れられない。そんな彼の支えとなったのは、同期ながら頼れる相棒・吉敷佳助(CV:中村倫也)だったーー。
今回は、可愛らしいタッチでありながら、圧倒的なリアリティで戦争を描く本作の主人公・田丸の声を担当した板垣に話を聞いた。
――田丸というキャラクターへの印象を教えてください
「分かりにくい例えかもしれませんが、"綺麗に剥けたゆでたまごみたいな心だな"と思いました。白くてつるんとしていて、柔らかく、弾力があって、触れると人肌に温かい。そんな心だなと。軍隊の中で隊長になるタイプではないけれど、彼がいるとその場が少し温かくなるような、うれしいような...。ゆでたまごも、主食ではないけれど、あるとうれしいじゃないですか。
田丸が生きている時代は、国のあり方や価値観、教育も、今の時代とまったく違うわけです。今だと理解し得ない価値観は土台としてあるのですが、やはり、そこに生きているのは、自分と変わらない同じ人間なんだと感じます。田丸が自分の仕事やこの戦い自体に抱く葛藤や、家族や戦友に対する気持ちも、今の僕たちが抱く気持ちとなんら変わらないんだな、と共感しました」
――仲間の勇姿を、時には嘘を交えて美談に仕立てる「功績係」について、どんな印象を受けましたか?
「当時は、国のために命を落とすことがなによりも誉れとされていた時代です。そこで、いかに『嘘も交えながら遺族に勇姿を届けるか』って、当時も今もはっきりと是非がつけられない感覚がありますよね。
『嘘をつく』って良くないこととしてありますが、日本に残る家族たちがその嘘によって救われるのであれば、それが必ずしも悪いとは言い切れない...。非常に複雑な想いがあります」
――手紙と共に「絵を描くこと」は、マンガ家志望の彼にとってどんな意味があったのだと思いますか?
「もちろん何かを書き記す使命感はあったと思います。一方で、いつ仲間が命を落とすのか分からない状況の中、自分の世界と向き合えるものがあるというのは、メンタルを保つ意味で心強い作業だったのかなって。
原作を読んでいてもそうなんですが、"田丸は絵を描くことが好きなんだろうな"ということがよく伝わってくるんです。今の価値観で測れるものではありませんが、戦場で絵を描くって、彼にとって兵士ではない『21歳の等身大の田丸』に戻れる瞬間だったのかなと思います」
公開情報
映画「ペリリュー ー楽園のゲルニカー」
公開日:2025年12月5日(金)
原作:武田一義
声の出演:板垣李光人、中村倫也ほか
詳しくは
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