ドラマ『人間標本』市川染五郎が初対面で伊東蒼のことを「怖い」と言った理由

俳優

『告白』『母性』『ユートピア』など数々の衝撃作を世に放ち続けるベストセラー作家・湊かなえ氏の小説『人間標本』が実写映像化。ドラマシリーズとして、12月19日(金)よりPrime Videoで世界配信される。(全5話/一挙配信)。

そのテーマは【親の子殺し】というセンセーショナルなもの。蝶の研究者である榊史朗(さかき しろう/西島秀俊)が、息子・榊至(さかき いたる/市川染五郎)を含む6人の少年たちを殺害し「人間標本」にしたと衝撃の告白から始まる、禁断のミステリーサスペンスだ。

今回は、市川染五郎、そして宮沢りえ演じる有名画家の一之瀬留美(いちのせ るみ)の娘・一之瀬杏奈(いちのせ あんな)を演じた伊東蒼の2人にインタビュー。撮影中の思い出などを中心に話を聞いた。

――非常にセンセーショナルな作品ですが、原作、もしくは脚本を読んだときの感想を教えてください

伊東「読んでいくうちにすべての登場人物の印象がどんどん変わっていく感じが、すごくおもしろいなと思いました。この人の本当の顔、本当の性格は、どこにあるんだろうと思いながら。読み終わった後は、自分の中で考える時間がすごくありましたね。ミステリーがとても好きなので、好きなジャンルの物語でしたし、あっという間に読んでしまいました」

染五郎「原作と脚本を読んで、数か月ある撮影期間中、この作品の世界観にずっと集中力を保ったまま存在できるかという不安はありました。1人1人の人物について細かく役をイメージしやすかった部分もあれば、現場に入って新しく気付くこともあって。とてもおもしろかったです。それからグロテスクなものを美しく見せてしまうような部分にもとても惹かれました。原作では目を背けたくなるようなシーンもあるのですが、読みだしたら止まらない作品だったので、今回の映像化もそうなっているんじゃないかと思います」

――ご自身が演じた役については、どのように解釈しましたか

染五郎「至は、とても純粋でまっすぐな人、それでいて狂気、人間のドロドロしたところが心の奥底に眠っているようなキャラクターだなと思いました。もともとがまっすぐで純粋だからこそ、ふとした瞬間にそういう部分が表れやすい人物だな、と。心の底から悪い人っていうことではなくて、人間味があるところは魅力的だなと思いました」

伊東「杏奈は私からだいぶ離れたところにいて、怪しいとか恐ろしいっていう言葉のほうで役作りをしてみました。ただ、実際に撮影が始まって、(舞台となる)山奥の別荘で(宮沢)りえさんや染五郎さん、皆さんとお芝居をする中で杏奈としてもプラスの気持ちというか、みんなと話していてこの空間が好きだとか、楽しいという気持ちも当たり前に芽生えるだろうなって思ったり、だからこそ、その後のシーンの1つ1つがまた違った辛さだったり、悲しさだったりを帯びてくるなとも思いましたね。撮影に入ってから、私の中での杏奈像は変わっていきました。原作を読んでいた時よりも柔らかくなったし、より人間味を帯びた人になったかなと」

――お互いの印象を教えてください

染五郎「本読みの時に、初めてお会いしたのですが、怖かったですね」

伊東「え?怖いですか?」

染五郎「伊東さんご自身がということではなくて、役者として圧倒されたという意味で(笑)。セリフも怖かったので、隣に座っていて"うわぁ、存在感がすごいな"と思いました」

――本読みが始まって一気に印象が変わったということでしょうか?

染五郎「撮影期間中もそうでしたけど、スイッチを意識的に入れていらっしゃるように見えたんです。その切り替えはすごいなと思いました」

伊東「どうですかね...すごくあったかい現場だったので、その後に杏奈が取る行動に対して1週間前から夢を見て"嫌だな"と思っていました。そういう意味では、引きずるタイプなのかなと」

――伊東さんから見た染五郎さんの印象も教えてください

伊東「染五郎さんは(年齢が)1つ上なんですけど、実際にお会いする前、いろんな媒体で拝見していた時には隙がないというイメージを持っていました。ピシッとしている方なんだろうなと。でも、とっても話しやすいし、私の"ごはん食べましたか?"のような質問にも、フランクに答えてくださって、何気ない会話ができたので緊張とかそういうのはありませんでしたね。至とのシーンを撮影するときに、その場で台本が変わっていくことがあったのですが"じゃあ、このセリフを言うために、私がこう動けばいいですかね?"など提案しやすかったので、包容力もある方だなと思いました」

染五郎「嬉しいです。人見知りなので、人よりしゃべらないタイプなんですけど、たしかにお会いする前から知っていてくださった方に初めてお会いした時に"意外としゃべるんですね"と言われることは多いです。正直、この口数でしゃべるって言われるなんて、どんだけしゃべらないと思われているのだろうとは思いますが」

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作品情報

『人間標本』
配信開始日:2025年12月19日(金)よりPrime Videoにて世界配信開始
話数:全5話 ※一挙配信
出演:西島秀俊 市川染五郎 伊東蒼
   荒木飛羽 山中柔太朗 黒崎煌代 松本怜生 秋谷郁甫
   宮沢りえ
原作:湊かなえ 『人間標本』(角川文庫/KADOKAWA刊)
監督:廣木隆一
美術監修・アートディレクター:清川あさみ
※配信内容・スケジュールは予告なく変更になる場合があります
※作品の視聴には会員登録が必要です(Amazonプライムについて詳しくはamazon.co.jp/primeへ)

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