草なぎ剛×三宅喜重】『終幕のロンド』に込めた"人の想い"――『いいひと。』から28年の信頼対談

俳優

――お2人の初めての出会いは28年前のカンテレ制作のドラマ「いいひと。」ですが、その時のことは覚えていますか?

草なぎ「僕は三宅監督のことをすごく覚えてます。当時、星(護)監督(「いいひと。」チーフ監督)に怒られながらも、すごく一生懸命で。とにかくガッツがあったし、僕の目には一番頑張っていました。だから監督としてこんなに活躍されているんです」

三宅「東京に出てきて初めての連続ドラマの助監督で、こんなに大変なんだ...と思いながら当時はカメラ位置を移動させるためのレールの準備などをしていました。草なぎさんは本当に一生懸命な人という印象でした」

草なぎ「お互い一緒ってことですね」

三宅「僕は必死だっただけなんだけど(笑)」

草なぎ「僕も初めての主役だったから必死でした。そういえば今回の『終幕のロンド』の東京駅での撮影時に、『いいひと。』の1話で僕が演じる北野優二が足を1歩踏み出すと北海道から東京駅になるというシーンを撮ったことを思い出して。位置的にも数メートルしか離れていない、ほぼ同じ場所だったんですけど、その時、三宅監督も僕の顔を見て「思い出してる?」という表情をしていて」

三宅「その後、草なぎさんと「ここで『いいひと。』の撮影をしたね」と話をして」

草なぎ「三宅監督との意思の疎通でいうと、もうひとつエピソードがあって。実は『終幕のロンド』の1話のエンディングに近い回想の泣くシーンで時間がかかってしまって、僕の"涙待ち"になってしまったんです。その後なんとか乗り越えて無事その日の撮影は終わったんですけど。次の日、三宅監督と、『僕の生きる道』の1話の最後、カップラーメンを食べながら泣くシーンでも泣くのに時間がかかったことを思い出していたら、三宅監督も実はそのことを思い出してたと聞いて」

三宅「そうですね。『僕の生きる道』のカップラーメンのシーンを思い出してましたね。長く共に携わるって、作品ごとに思い出があって、同じ想いを分け合う瞬間がある。感慨深いですね」

草なぎ「『37歳で医者になった僕~研修医純情物語~』でも一緒だったし、三宅監督は一番僕を撮ってくれている監督かもしれないですね」

三宅「僕は、助監督から監督になって三番手、二番手、そしてチーフに昇格していったけれど、草なぎさんはその全部を見ている人だから、いまさら草なぎさんの前でカッコつけてもしかたがないという間柄ですね(笑)」

草なぎ「本当に三宅監督と共鳴しあっているので、頻繁にディスカッションをしなくても、モニターを通してお互いを感じ取っていて。そういう中で今回もお芝居をさせていただいています」

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放送情報

「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」
放送日時:2025年10月13日(月)スタート 毎週(月)22:00
チャンネル:カンテレ・フジテレビ系全国ネット
出演:草なぎ剛、中村ゆり、八木莉可子、塩野瑛久、長井短、小澤竜心、石山順征、永瀬矢紘、要潤、国仲涼子、古川雄大、月城かなと、大島蓉子、小柳ルミ子、村上弘明、中村雅俊、風吹ジュン

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