そして、今年8人体制で再始動してさらなる飛躍を遂げたtimeleszの菊池風磨が、過去に秘密を抱える警備員・桐山を演じた。大手の総合商社に勤める営業マンだったが、3年前に起きた事件で友人に裏切られたことを機に、ドロップアウトしてしまい借金地獄に陥る。心を閉ざした彼の陰のある瞳、やさぐれた表情に引きこまれる。

過去の桐山の笑顔や口調はどこか取り繕っているような違和感があるが、鈴木といる時は本当の自分を曝け出しているようだ。そのわずかな違いを菊池が繊細に表現。三角関係に巻き込まれていく様は真に迫り、追い詰められた情けない姿は生の人間らしいリアリティがあった。

物語に仕掛けられた違和感、緻密に張られた伏線を考察していくのも一興だろう。岡山天音、中条あやみ、伊藤英明、桜井ユキなど多彩なキャストの配役も面白い。しかし何より、大森と菊池、2025年の話題や人気を集めてきた2人の顔合わせが、大きな見どころと言える。「#真相をお話しします」でどんな化学反応が起きているのか、確認してほしい。

文＝中川菜都美